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甲子園の風BACK NUMBER
「スエヨシは素晴らしい」高校アメリカ代表の監督・選手が絶賛した末吉良丞16歳…現地で名前が挙がった“日本人選手5人”「メジャーで一緒にプレーしたい」
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柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/09/19 11:06
U-18で対戦したアメリカ代表の監督・選手が絶賛した5人の日本人選手。写真は沖縄尚学・末吉良丞
「日本の野手は簡単にはアウトになってくれない。投手として神経をすり減らす打線だった。やっかいだったし、(二度に渡って背面キャッチした)センターの選手(阿部葉太、横浜)の守備もグレイトだった」
負けた夜に議論「末吉対策」
アメリカのリック・エクスタイン監督は、タイブレークまでもつれたスーパーラウンドの終盤に、日本の走塁に猛抗議して退場処分となり、試合後も報道陣の前には姿をみせなかった。
だが、さすがに日本に2対0で勝利した決勝後は上機嫌だった。決勝でもスーパーラウンドと同じ末吉が先発することを想定して準備してきたという。
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「コントロールの素晴らしい末吉に対して、どうアプローチするのがいいのか。日本に敗れた日の夜に話し合った。日本は素晴らしいチームで、なかなかミスを許してくれるチームではない。だから、まずはミスをしないプレーを心がけようと選手と誓い合った。結果、それが優勝につながった」
スーパーラウンドでは終盤に集中してエラーを犯した(5失策)ことが敗因と分析。決勝は一塁を守っていたボスウィックをマウンドに送り、守りにおいてはショートが好捕を連発してピンチをしのいだ。
またアメリカにはボスウィックのほか、二刀流の選手が複数いた。エクスタイン監督が続ける。
「アメリカだけでなく、世界中の若い世代に翔平が好影響を与え、誰もが投打で活躍するチャンスがある可能性を示してくれている。これからも翔平のパフォーマンスを見て、ツーウェイで野球をやってくれる選手は増えていくだろう」
「タカハタに打たれた…」
高校日本代表が思わぬ苦戦を強いられたのが、スーパーラウンドのパナマ戦だった。パナマ先発のメディナは、182cmのがっちりとした体型から150キロの“変化球”を投じた。ストレートの握りで投じられるそのボールはナチュラルに変化するのだ。
「自分のフォーシームはシンカーの動きをする。このボールが自分の生命線です」
日本の森下翔太(創成館)が1点の先制を許し、打線もメディナから思うように走者を出せない。攻略には手こずるだろうと思いきや、3回途中、メディナは突然降板した。掌に違和感があり、制球が定まらなくなったという。試合後、印象に残った日本の打者を訊ねた。
「右打者の高畑(知季、東洋大姫路)には逆方向にシングルをうまく打たれた。印象に残っているのはその選手ぐらいかな。自分の父親は、パドレスやカージナルスでプレーしたピッチャーでした。チェンジアップはお父さんに教わりました。今後はアメリカのいろんなところでプレーすることになっている。将来はお父さんのようにメジャーでプレーしたい」
アメリカと共に日本のライバルと目されていたのが台湾(チャイニーズ・タイペイ)だった。
〈つづく〉


