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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「なぜ建設的な批判をしない?」日本代表アメリカ戦完敗と“OB解説”をブラジル人記者が斬る「170cmナガトモのCBはさすがに無理」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2025/09/13 11:11
0-2で敗れたアメリカ戦。日本で配信を見たブラジル人記者が語るホンネとは
「そうだね。国民性として、ブラジル人はストレートな物言いを好む。日本人のように本音と建前を使い分けることは少ない。また、フットボールに関するファンの理解度が高く、試合で起きたことについて解説者が何か言う前に、ファンはすでにその良し悪しを判断している。だから、試合内容が悪かったり選手が悪いプレーをした場合、仮に解説者が批判を控えても意味がない」
――ブラジルのテレビ中継を視聴していると、解説者の辛口コメントは概ね「建設的な批判」という印象を受けます。
「そうなんだ。解説者もファンも、選手が素晴らしいプレーが出れば大袈裟なまでに褒め、悪いプレーに対しては歯に衣着せず批判する。それは、チームや選手にもっと向上してほしいから。これに対し、日本人は他者に配慮し、思いやる気持ちが強いから、解説者も直截的な批判を避ける傾向にあるのかな。でも、ブラジル人である僕の視点では、『建設的な批判』は決して悪いことじゃない。ただ、日本には日本の文化があるから、そう簡単には変わらないとは思うけどね」
170cmのナガトモがCB…さすがに無理では
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――アメリカ戦の話にいきましょう。先発メンバーについて。森保監督はメキシコ戦から11人全員を入れ替えたわけですが、あなたがこの試合で先発を予想した、あるいは希望したメンバーとはかなり違いました。
「試合間隔が短い連戦で、森保監督が先発メンバーを大幅に入れ替えるのはわかっていた。しかし、チームの核となる数人の選手は残してほしかった。でなければ、チームの競争力が大幅に落ちてしまう。先発メンバーを見て、森保監督はこの試合を選手を試す場としか考えていないと感じた」
――「チームの核になる数人」とは、6日のメキシコ戦で先発し、W杯予選でも主力を務めた遠藤航、久保建英、三笘薫、鎌田大地のことですね。対するアメリカは今年7月の自国開催のゴールドカップ(北中米カリブ海選手権)で決勝で宿敵メキシコに敗れ、3日前に韓国にも敗れてどうしても勝利が欲しい状況で、韓国戦の先発メンバーから主力5人を残した。
「アメリカは勝ちに来ていたのは確かだ。でも、日本は今挙げた4人がいれば、他のメンバーは替わってもチームの土台は揺るがなかったと思う。また、長友佑都を左CBとして起用したことにも驚いた。E-1選手権の中国戦でもそのポジションだったそうだけど、身長170cmの彼を起用するなら、3バックなら左ウイングバック、4バックなら左サイドバックであるべきで、CBは無理だ。このポジションには、メキシコ戦で良いプレーを見せた渡辺剛を起用するべきだったと思う」
日本の前半…一言で悪かったね
――前半の日本の出来は?
「冒頭で言った通り、悪かったね」〈つづく〉

