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甲子園の風BACK NUMBER
広陵事件で話題の野球部“寮生活問題”…甲子園で勝つには寮は必須なのか? 全国制覇の経験もある“寮のない超強豪”に聞く「それでも全国で勝てるワケ」
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/08/31 11:00
2019年には夏の甲子園を初制覇した履正社。激戦地・大阪の超強豪である一方、実は同校には寮がない
履正社の野球部は1922年に創部された。前任としてチームを強化してきた岡田龍生監督は22年から母校の東洋大姫路に移り、その主権は同校OBで岡田監督の教え子でもある多田監督が引き継いでいる。
監督が語る「寮生活のメリットとデメリット」
寮生活を送る学校に比べれば、何かとマネジメントに苦心する部分が多いのではないか。当初はそんな先入観があったが、それは杞憂だった。
「一体感という面で見ればデメリットが多いように見えますけど……自宅通いの子に関してはその分、家庭の温かさをたくさん受けられていると思います」(多田監督)
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履正社では一部の遠方出身の選手が学校近くで下宿生活を送るが、在籍する選手は近隣地区出身が多く、ほとんどが自宅から通学している。大阪、兵庫出身者が8割以上を占めており、大阪南部からJRや地下鉄などを乗り継いで1時間以上かけて通学する選手も多い。
寮という多くの選手が集団行動がとれる環境がない中で、岡田監督在籍時から続けているのが各家庭への“栄養指導”だという。
<次回へつづく>

