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甲子園の風BACK NUMBER
広陵事件で話題の野球部“寮生活問題”…甲子園で勝つには寮は必須なのか? 全国制覇の経験もある“寮のない超強豪”に聞く「それでも全国で勝てるワケ」
posted2025/08/31 11:00
2019年には夏の甲子園を初制覇した履正社。激戦地・大阪の超強豪である一方、実は同校には寮がない
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph by
Hideki Sugiyama
沖縄尚学の初優勝で幕を閉じた今夏の甲子園。一方で、大きな話題となったのが寮での暴力事件に端を発した広島・広陵高校の出場辞退である。多くの部員が集団生活を送る寮という環境では、一体感が生まれやすく時間的なメリットがある一方で、管理の目が行き届かなければ閉鎖空間になりがちでもある。そんな中で、高校野球ではあえて寮を設けない強豪もある。果たしてそこにはどんな意図があるのか。2010年以降に3度の甲子園決勝進出の経験を持つ大阪・履正社高に聞いた。《NumberWebインタビュー全2回の1回目/つづきを読む》
今夏の甲子園大会中に起きた広島・広陵高の不祥事では、「いじめ事件」の発端となった“野球部寮”の在り方について考えさせられる面もあった。
現在、甲子園に出るほとんどの強豪校は、学校近隣に寮を設け、そこで部員が集団生活を送っている。寮にも様々な体制があるが、寮監が置かれ、大人の監視が行き届いているように思えても、見えない部分も多く感じる。
「超強豪」なのに寮はナシ…そのリアルは?
一方で、敢えて寮を設けていない強豪校もある。彼らは、どのようなチーム形成を心掛けているのだろうか。
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14年、17年のセンバツで準優勝し、19年の夏の甲子園で全国制覇した経歴を持つ履正社も寮を持たない強豪校のひとつだ。野球部を率いる多田晃監督に話を聞いた。

