部員全員が寮生活でスマホNG…甲子園強豪校の“昔のイメージ”は変わったのか？ 公立校“最後の優勝監督”が明かす「タイブレークは格下に有利」

――慶應が優勝してもさほど高校野球界は変わらなかったような気もしていたのですが、百﨑さんの話を聞いているとそんなことはないんですね。

百﨑　大きかったですよ。それまでは日本一になるような高校は全員が寮に入って、スマホも持たずに、ぴっかぴかの坊主頭にして、「はい」と「いいえ」の言葉しか知らないみたいな生活をしなきゃいけないというイメージが少なからずありましたから。でも、そうじゃないということがハッキリした。

2023年夏の甲子園。サラサラヘアーをなびかせ走り出す丸田（右から２人め）ら慶応高の選手たち　©︎Nanae Suzuki

“最後の優勝監督”が語る公立校の限界

――でも2007年に佐賀北が優勝したときは、そんなチームではなかったじゃないですか。

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百﨑　あれはいろんな偶然が重なったんですよ。僕は公立高校が現実的に目指せるのは全国のベスト8までだと思うんです。今年は県岐阜商がベスト4まで行きましたけど、ベスト8以上はこんな言い方をしたら県岐阜商に失礼ですが、いろんな奇跡が重ならないと難しいと思いますよ。僕らもそうでしたから。こんなところで、こんなプレー出る？　って。決勝戦の副島の逆転満塁ホームランなんて、その最たるものですよ。ただ、いろんなことが少しずつ公立に有利になっていっているような気はするんですけどね。公立というか、格下の高校にとっては。

タイブレーク、DHは「格下に有利」

――どういうことですか？

百﨑　延長10回からタイブレークが採用されるようになって、格下のチームには有利になりましたよね。逆に格上のチームは嫌だと思いますよ。タイブレークに持ち込まれるの。あそこまでいったら、もうどっちが勝ってもおかしくないですから。新基準バットになったのも、格下のチームには有利ですよね。接戦に持ち込みやすくなった。

――DH制はどうですか？

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