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阪神・佐藤輝明が「プロ5年目で初めてLINEにすぐレスしてきた」大学恩師が驚いた“好調の自己分析”とは…「フォームの理解が深まった」!?
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喜瀬雅則Masanori Kise
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/08/31 11:05
今季好調の要因を聞いたLINEへの佐藤輝明の返事の内容もさることながら、恩師がそれ以上にビックリしたこととは……?
「何がまずビックリしたかと言ったら、自分がメッセージを打って、翌日に返ってきたことなんですよ。えーっ、って思ったんです。まず、そんなん、あり得ない。今年、プロ5年目だから、丸4年間、そんなことはなかったんです。返ってこなかったですから」
しかし、恩師からのメッセージに返信しないという、そんな無礼はあるのか?
「うん、だから、何とも思ってない。全く何も思っていないんですよ。上宮(の教え子)だったら、黒田博樹でも、元木大介でも、筒井壮でもすぐ返事があります。三木肇でも楽天の監督に復帰したとき、三木から電話がすぐにかかってきました」
佐藤のメッセージの返事とは
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だから、ダメもと、というのもおかしいのだが、すぐに返事はないだろうという推測がいい意味で裏切られて、田中は驚いたのだ。
スマホの画面を、読み上げてくれた。
バッティングフォームに対する理解が深まっているのが要因かと思います。
「なんか、あいつらしいでしょ? 普通やったら『タイミングをちょっと早くしました』とか『トップの位置をこうしました』とか『前の足をこういう風にしました』とか、何か具体的に欲しいじゃないですか。でも、バッティングフォームに対する理解が深まっているのが要因、でしょ……。ちょっと、何のことか分からないでしょ」
そう言われると、確かに具体性には欠けている感がある。どちらかと言えば、感覚やイメージに近い、抽象的な表現でもある。
「返信が早くなったことが、一番びっくりしたんですけどね」
田中はそう笑わせながら、この“イメージ評”には、米シアトルの「ドライブライン」に出向いた佐藤が、自らのバッティングを科学的にあらゆる角度から精査した経験が、大いに影響していると、冷静にその“行間”を読み取っている。
ドライブラインで身につけたこと
佐藤が、キャンプインに備えての自主トレで生駒のグラウンドを訪れた際に、田中は「僕も興味があるから『どんなことをドライブラインで言われたんや』って聞いたんですよ」。
すると、佐藤から明確な“チェックポイント”が挙がったのだという。
股関節の柔らかさと強さ
トップの位置に持っていくテークバック
肩甲骨周り
イチローさんがよく言われる「股関節」

