プロ野球PRESSBACK NUMBER
阪神・佐藤輝明が「プロ5年目で初めてLINEにすぐレスしてきた」大学恩師が驚いた“好調の自己分析”とは…「フォームの理解が深まった」!?
text by

喜瀬雅則Masanori Kise
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/08/31 11:05
今季好調の要因を聞いたLINEへの佐藤輝明の返事の内容もさることながら、恩師がそれ以上にビックリしたこととは……?
熱血指導の田中は、それこそ「何百回も、ですわ」と振り返るほど、佐藤には激しい言葉で、細かく指導したという。2年になり、早くも大学日本代表にも選出されるようになった頃だったという。
寮内の掃除をどことなく、うわの空でこなしているように映った佐藤を怒鳴り上げた。
「日の丸つけてる選手っていうのは、技術だけとちゃう。人としてどうあるべきか。掃除をでたらめにして、そんな選手がジャパンか? 他の選手が見たら怒るで。お前、そんなんやったら、日の丸を返せ」
厳しいタイプと自主性タイプの指導者に、順々に出会って
ADVERTISEMENT
だから、岡田に少々、厳しく言われたところで、大学時代に田中から厳しくしつけられているから、その“免疫”はある。田中、矢野、岡田。そして2025年から阪神監督に就任した藤川球児は、どちらかといえば矢野型、つまり選手の自主性、主体性を重んじ、トップダウン的に細々としたことを指示したりはしない、現代風のリーダーだろう。
「出会う順番も、ひょっとしたら、よかったんでしょうね」
その“田中説”に、私も全面的に賛同したい。
田中と岡田の厳しさで培われた土壌があってこその、5年目の覚醒なのだ。
普段は半年返ってこないLINEの返事が……
最後に、田中が佐藤からのあるメッセージを見せてくれた。
「あいつね、LINEでメッセージを送っても、まず半年は絶対、返事が返ってこないんですよ。でも、僕もいろいろな人に聞かれるんです。5月くらいから佐藤が調子よくなってきたじゃないですか。だから『監督、なんで調子いいんですか』とか。それで、佐藤がどんな考えをしてるのか、ちょっと聞きたいと思ったんですよ」
2025年5月12日、田中はこうメッセージを打った。
チームも佐藤も調子いいね。
バッティングの調子がいいのは、自分ではどう分析しているの?
すると、翌13日の昼前に、佐藤からの返信が届いたのだ。

