甲子園の風BACK NUMBER
「PL野球部の復活はなぜ難しいのか?」信者数激減、財政難…高校野球の超名門・PL学園の今「富田林ではやたらとイノシシが出没しているんです」
posted2025/07/29 11:07
1985年、夏の大阪大会を制した清原和博ら擁するPL学園
text by

柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
Katsuro Okazawa/AFLO
PL学園の広大な聖地にはかつて約1万本の桜が植えられており、春を桃色に彩っていた。だが、その桜の木も多くが伐採されてしまったという。ある元教団教師(布教師)がとても笑えない話をしてくれた。
「桜の伐採に関しては害虫の影響があったとも聞いています。多くの木が伐採されたことによって、生態系に変化があったのか、富田林ではやたらとイノシシが出没しているんです。教団はイノシシを捕まえて加工肉として販売している。商魂逞しいとはまさにこのことですね……」
「耐震工事の資金がない」
敷地内には、老朽化が進み、外壁が黒ずんで廃墟と化した建物がいくつも存在する。たとえば、2009年に休校となったPL女子短大の校舎などだ。また、2年前には学園の校舎や金剛寮、葛城寮が抱える耐震問題を私は報じた。大阪府教育庁私学課の担当者がPL学園に問題を抱えた建物がいくつもあることを次のように認めたのだ。
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「耐震性に問題のある建物は全部で6棟で、生徒が授業を受ける2号館、4号館のほかに、図書館、剣道場、金剛寮、葛城寮です。寮を除いた4棟に関しては令和4年度をもって未使用化、つまりその建物は使わないという方向性でうかがっています」
PL学園の当時の教頭は、「早急に対応しているところです」と話したが、その人物は野球部が活動を停止した時に最後の監督を務めていた川上祐一氏であった。取材から2年が経過し、川上氏も既に教頭ではなくなっているが、かつてPL学園で勤務していた教師は、現役教師から聞いた話としてこう証言した。
