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「W杯ではどのグループに入るのがベスト?」対戦相手・気候・移動…日本代表で山本昌邦氏が進める「2026年7月19日の決勝から逆算」した準備とは? 

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佐藤景

佐藤景Kei Sato

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/07/23 17:56

「W杯ではどのグループに入るのがベスト?」対戦相手・気候・移動…日本代表で山本昌邦氏が進める「2026年7月19日の決勝から逆算」した準備とは?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、日本代表が優勝するために決勝戦までの道のりを逆算してあらゆる準備を進めていくという

 グループBは西部地区のカナダ・バンクーバー、アメリカ・シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルスで5試合、そして東部地区のカナダ・トロントで1試合の合計6試合が行われる。バンクーバーとトロントは3時間の時差があるものの、対戦順によってはすべてを西部地区で戦える可能性もある。日本がグループ1位通過を考えるなら、やはりカナダと同組のグループBになることが望ましい。 

クラブワールドカップで見えた「アメリカの気候問題」

 次に気候について。ワールドカップのプレ大会として今年6〜7月に開催されたFIFAクラブワールドカップ(CWC)では雷雲の接近により6試合が途中で中断となった。そしてその会場はいずれもアメリカ東部地域だった。約2時間、中断されたケースもあり、選手のコンディション維持が極めて難しかったと言われている。山本昌邦NDもこの大会を注視していた。

「CWCの検証はこれからしっかりすることになります。今回、浦和レッズが実際に出場しましたが、彼らとは大会前からコミュニケーションを取っていて、情報の共有もしている。われわれもサポートできることがあればというスタンスでお話しさせていただいていました。

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 浦和の試合では中断はなかったですが、数時間休むとなったときの過ごし方はどうすればいいのか。一度、冷えた体をもう一度、温めるにはどうすればいいのか。戦術的な話も変わってくるかもしれないし、ベンフィカ対チェルシー戦のように試合終盤に数時間の中断となったら、エネルギーを使い切っていて、軽い食事をとる必要も出てくるかもしれない。

 今回、起こったことはさまざまな角度から検証する必要があると思っています。また、暑さの問題も、選手の体に影響することですから重要です。それぞれのスタッフがしっかり検証して、しっかり準備しなければなりません」

避けられない炎天下ゲーム

 今回のCWCでもう一つ浮き彫りになったのが、暑さという問題だった。6月、7月のアメリカは連日気温30度を超えるほどに暑さが厳しい。それでもヨーロッパの放映時間に合わせて試合を開催すると言われる。そうなれば、炎天下のゲームは避けられず、過日、CWCの過酷な状況を鑑みて国際プロサッカー選手会(FIFPRO)が北中米大会への強い懸念を表明した。 

【次ページ】 気候を踏まえても有利なのはグループBか

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