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「W杯ではどのグループに入るのがベスト?」対戦相手・気候・移動…日本代表で山本昌邦氏が進める「2026年7月19日の決勝から逆算」した準備とは?
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佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/07/23 17:56
山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、日本代表が優勝するために決勝戦までの道のりを逆算してあらゆる準備を進めていくという
中でも熱中症のリスクが高いと指摘されているのがカンザスシティー、ヒューストン、ダラス、マイアミ、メキシコのモンテレイなど、中部地区と東部地区の会場だ。今後、FIFAから試合開始時刻の再考や屋根付きのスタジアムの活用などの案が発表される可能性もあるが、現状では東部や中部に比べて湿度の低い西部地区の方がリスクは小さいとされている。
気候を踏まえても有利なのはグループBか
以上の理由から、分析対象国が最少の16チームではなく、28チームあるとしても西部地区中心に試合が行われるグループBが最も日本にとっては有利とみる。仮に1位抜けすれば、ラウンド32の試合まで1週間空く。2位抜けだと中3日と日程的には厳しいが、その後の日程を考えてもなるべく試合進行が早いグループが望ましい。
むろん、日本と同じことは他のチームにも当てはまるのだが、優勝を目指すならグループステージで疲弊するような状況は避けたいところ。年末に行われるドローでどのグループに入るのか、注視したい。
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山本NDによれば、大会中の拠点になるキャンプ地についても、すでにスタッフが数度の視察を行い、さまざまなケースを想定しながら候補地を数か所に絞っているようだ。2014年のブラジル大会ではサンパウロ郊外の比較的涼しいイトゥを拠点にしたために酷暑での試合に向けたコンディション調整が難しくなり、選手が本領を発揮し切れなかったと言われる。その反省を踏まえ、慎重にキャンプ地選びを進めている模様だ。
FIFAから提供される候補地をドロー後から視察するのでは、選定のために必要な情報を十分に集めるには遅い。ドローが決定し次第、即断即決できるように、日本は予め視察を行って準備しているのだ。

