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「W杯ではどのグループに入るのがベスト?」対戦相手・気候・移動…日本代表で山本昌邦氏が進める「2026年7月19日の決勝から逆算」した準備とは?
posted2025/07/23 17:56
山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、日本代表が優勝するために決勝戦までの道のりを逆算してあらゆる準備を進めていくという
text by

佐藤景Kei Sato
photograph by
Kiichi Matsumoto
1回目、2回目で説明してきたような状況を踏まえ、現時点でわかっている条件に照らしたときに、日本にとってベストのグループはどこなのだろうか。筆者の個人的な見解と断った上で考えてみたい。
日本は「ポット2」に該当
日本は7月10日に発表された最新のFIFAランキングで前回から順位を2つ下げ、17位になった。この順位はドロー(組分け抽選)で重要なポット分けのポット2に位置する。ちなみに「ポット」とは、ワールドカップのドローにおいて用いられる『分類』のこと。本大会のグループステージで、強豪同士の対戦や同一地域の対戦を避けるために採用されている仕組みである。
開催国とFIFAランキングの上位から順番に出場国を4つのポットに割り当てた上で、それぞれのポットから1カ国ずつを、グループステージを戦う12グループに振り分ける。北中米大会でも従来通りの方式でドローを行うとすると、ポット1には開催国のアメリカ、メキシコ、カナダとランキング上位の9カ国が入り、ポット2には10位から21位までが入ることになる(予選敗退国は除く)。したがって17位の日本はポット2というわけだ。
ベストはカナダと同組か
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すでにメキシコはグループA、カナダはグループB、アメリカはグループDに入ることが発表されている。いずれもポット1扱いながら、FIFAランキングではアメリカが15位、メキシコは13位で、カナダは最も低い28位。本来ならポット3の位置だ。そう考えると、カナダと同組のグループBに入ることが日本にとっては最適と言えるかもしれない。グループ内で日本が最もランキングの高い立場となる確率が高いからだ。
戦力比較に続き、移動距離と気候についても考察してみる。3カ国16都市で開催される北中米大会は、チームとファンの移動を最適化するために、国をまたいで開催地を西部地区、中部地区、東部地区に分けている。南北の移動はあるので長距離移動は避けられそうにないが、それでもグループステージ中は東西の移動が少なく、極力、時差の影響を抑える日程となっている。

