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「ナガトモのピークは過ぎたが」E-1サッカー日本代表にトルシエが“愛の辛口”「W杯選出はせいぜい1、2人」「平静さを失い…まるでアマチュア」
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田村修一Shuichi Tamura
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2025/07/14 17:02
香港戦、久々の日本代表戦出場を果たした長友佑都
「U-23代表やU-18代表もほぼすべて海外組だ。それが今日におけるアフリカの進化であり現実だ。次のW杯からアフリカに9.5の出場枠が与えられるから、若いモロッコ人選手たちは、モロッコ国籍を望むようになった。フランスなどヨーロッパで暮らし、モロッコ国籍の取得が可能な若い選手たちが、モロッコのW杯出場を待っている」
――東南アジアもちょっと似た状況にあります。インドネシアのように、多くの帰化選手が代表を占めるようになりました。
「インドネシア戦は見たのか」
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――日本に0対5で敗れましたが、スタメンの大半が帰化選手たちでした。
「ほぼ100%帰化選手のチームになった。しかしどうしてそんな大差で敗れたのか。彼らがちゃんとプレーしなかったのか」
――単純にプレーのレベルが違いました。
「日本はベストチームを編成しなかったのか?」
――予選突破前とは、遠藤航と鎌田大地、久保建英以外を替えましたが、替わって出てきた選手たちのレベルもまた高かったです。
「それに対して、今日の後半のメンバーはとても厳しかった」
――気持ちをもっと強く持つべきだったのでしょうか。
「いや、むしろ連動性やコンビネーションの問題だ。森保には十分な準備の時間がなかった。前半はチーム全体のバランスが保たれていた。それからジャーメインがチームに落ち着きを与えた。彼が早々にゴールを決めて、20分過ぎには5対0になり、日本は無理をする必要がなくなった。そこからすべてが効率的で容易になった。
しかし後半は香港がアグレッシブにプレーし、終了間際まで後半の得点だけなら1対0とリードした。ポストを叩くシュートもあり、日本はさらに失点してもおかしくはなかった。香港が自信を得たのに対し、日本は選手交代もありオートマティズムと平静さを失った。まるでアマチュアのプレーを見るようだった」
リュウノスケ・サトウに期待している
――彼らもまた自信の回復が急務です。
「そして最も重要であるのが最終の韓国戦だ。スポーツ面でも政治面でも、また地域のヘゲモニーという点でも、どちらにとっても勝利が不可欠であり、東アジアのリーダーシップを懸けた戦いだ」
――韓国の監督は洪明甫です。
「彼に会ったらよろしく言ってくれ」
――その韓国戦についてですが……。
「期待しているのは佐藤龍之介だ」〈つづく〉

