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「E-1は日本の人々にとって重要なのか?」“観客687人の日本代表戦”をトルシエが一刀両断「香港戦後半のテンポはJリーグを見ているよう」
posted2025/07/14 17:01
“観衆687人”が話題になったE-1選手権の香港戦。トルシエが本音で一刀両断する
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田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Masashi Hara/Getty Images
フィリップ・トルシエは、先月末から日本に滞在している。今年3月以来、わずか3カ月の間をおいての来日。しかも今回も、まるまるひと月という時間をかけての滞在である。
サッカーとワイン。日本とフランス。両者は彼の中で次第に結びつきを強め、もはや分けることは難しくなっているのかも知れない。サッカーに関しては、ASモナコのレジェンドと日本代表レジェンドがチャリティマッチで対戦するUnited through Legends(6月27日、パナソニックスタジアム吹田。4対3でモナコレジェンズの勝利)で、日本代表レジェンズの監督を務め、さらにはJリーグ観戦、長崎訪問など相変わらず日本サッカーへの目くばせを怠っていない。
そのトルシエに、今回も日本代表への定点観測をお願いした。現在、韓国でおこなわれている東アジアE-1サッカー選手権2025。チーム編成は国内組に限られるとはいえ、日中韓の東アジアのライバルたちが覇を競う大会を、トルシエはどう見たのか。
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日本は香港、中国戦と連勝したが――それぞれの試合終了直後に聞いたトルシエの言葉を掲載する。まずは6-1の大勝を飾った香港戦から〈全3回の1回目/第2回につづく〉。
テンポを欠いた後半はJリーグを見ているようで
――前半と後半では、様相がまったく異なる試合になりました。
「その通りで、まったく異なるふたつの試合だった。前半は香港を相手に自分たちのプレーが自由にできた。その結果、25分過ぎには5-0とリードした。日本はスタートからとても集中し、本気で試合に臨んだ。選手の配置も動きも適切だった。
ただ、得点をあげるために特別なことをしたわけではない。点は比較的簡単に決められた。それはジャーメイン良の決定力が卓越していたからだ。ゴールを決める能力は素晴らしく、豊かな才能を感じた。実践的な能力の高さが彼にはある。それぞれのゴールが技術の高さを示していた」

