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「ナガトモのピークは過ぎたが」E-1サッカー日本代表にトルシエが“愛の辛口”「W杯選出はせいぜい1、2人」「平静さを失い…まるでアマチュア」

posted2025/07/14 17:02

 
「ナガトモのピークは過ぎたが」E-1サッカー日本代表にトルシエが“愛の辛口”「W杯選出はせいぜい1、2人」「平静さを失い…まるでアマチュア」<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

香港戦、久々の日本代表戦出場を果たした長友佑都

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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Masashi Hara/Getty Images

 東アジアE-1サッカー選手権2025、日本対香港、中国戦をフィリップ・トルシエが分析するインタビューである〈全3回/第3回につづく〉

 この大会の前身は、1990年に始まり1998年まで続いたダイナスティカップである。E-1のスタート当初は、中国はもちろん日本も韓国も、代表選手の大半が国内クラブ(韓国の場合はJリーグも含めて)に所属していた。日本に関しては、代表の強化は国内組の強化と同義だった。今は違う。W杯やアジアカップを戦う日本代表のほぼすべてが海外組で占められ、E-1に臨むのは実質的なB代表であり、それは韓国も同じである。

 そんな大会と日本代表を、トルシエはどう見ているのか。長友についての評価とともに、トルシエは続ける。

ピークは過ぎたが、モリヤスのチームに呼ぶ意義はある

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――後半はチームに刺激を与えるために、長友佑都のような大ベテランを投入するいい機会だとは思いませんでしたか。

「そうは思わない。長友のピークはすでに過ぎた。長友に対して、森保(一)がチーム内で彼にどんな具体的な役割を与えているのか知らないが、恐らくは年長者として若手を勇気づけ、中堅に対してもプレッシャーを与えることなのだろう。森保と選手の間を取り持つのが彼の役割だ。曖昧な状況ではある。というのも彼はまだ現役選手であり、そのことが議論の対象になってるかも知れないからだ。

 だが長友は、多くのものを森保のチームにもたらす。

 彼の豊富な経験は、チームにとって保証になる。その点で有意義だし、国際経験のない国内組には彼の海外での経験は大きな刺激だ。大きな使命感のない大会に臨むにあたり、新加入の選手にとって彼がチームに存在することの意義は大きい。

 他の選手を森保が招集するのは、すでに時機を逸している。彼の頭の中には、W杯を戦うチームの構成が、ある程度出来あがっているだろう。だから彼は経験豊富なベテランと、代表経験のない若手たちでチームを編成した。前半の日本はベテランで構成されていた。それは森保の、この大会でいい結果を残したいという意志の表れだった」

どうしてモリヤスはリスクを冒してまで…

――香港戦の気候は、多少の風もあり昨日の韓国対中国ほど熱くありませんでした。この試合は暑さと湿気のせいで動きがとても限られました。

「結果はどうだったのか」

【次ページ】 ここからW杯に行けるのはせいぜい1~2人だろう

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