「あれ、生理止まった？」女子バレー鍋谷友理枝が動揺した“がんの疑い”「日本代表を外されるのが怖かった…」手術を決断できた夫の言葉とは？ 

　ただ、再発の可能性はゼロではなかった。もしかしたら将来、妊娠や出産に影響するリスクがあるかもしれない。交際していた元バレーボール選手の江頭広樹さんとは、結婚を視野に入れていたことで、一人の女性としての不安もよぎった。

　バセドウ病と向き合いながらの現役生活を支えてきてもらったが、今度こそ嫌われるのではないか。鍋谷の心配をよそに、江頭さんの返事はまたもあっさりしていた。

「たとえ子どもができなくても、そうなったら2人でいいんじゃない？と、さらっと受け止めてくれた。私はとにかくマイナス思考なので、あれこれいろいろ考えていたんですけど、その言葉に救われて……。『じゃあ、手術を頑張るね』と前を向くことができました」

©︎Shigeki Yamamoto

度重なる病と怪我…でも辞めなかった

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　バセドウ病に加えて、失明の危機に陥った右目の硝子体出血、そして子宮頸部高度異形成の発覚。しかも、目のケガと子宮の病気は東京五輪のメンバーを争う渦中の出来事だった。2度目のオリンピック出場は叶わなかったが、鍋谷はその後もPFUブルーキャッツ、クインシーズ刈谷と渡り歩いてバレーボールを続けた。

PFUブルーキャッツ時代、黒鷲旗で初優勝を果たして胴上げされる鍋谷さん（2023年5月）　©︎JIJI PRESS

「日本代表の活動中などは時間がなくて、なかなか病院へ行けないこともありました。でも（バセドウ病の）主治医の先生は『来られる時に来てくれたら、いつでも対応するから』といつも親身になって寄り添ってくれた。振り返ればいろんなことがあって、その時々はしんどかったですけど、助けてくれる人たちがいて、乗り越えることができたし、いろんな縁やつながりを感じることもできた。悪いことばかりじゃなかったな、って心から思います」

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