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“移籍濃厚”オリオールズ・菅野智之…気になる「本命球団」は?「スガノはドジャースの好みではない」米老舗メディアスタッフが明かす“リアル評”
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byJIJI PRESS
posted2025/06/15 06:00
今季移籍したオリオールズで存在感を見せている35歳の菅野智之。チーム成績の低迷もあり、現地でも夏の移籍市場の注目株となっている
一方で、実は内部指標では慎重な見方も出ている。xERA(期待防御率)は4.64、FIP(守備無関係防御率)も4.58と、表面成績よりも大幅に悪い。空振り率(Whiff%)も16.9%と低めで、MLB基準では空振り型ではなく「打たせて取る投手」と位置づけられている。
数字上だけで見れば、被打球の「運」に依存する面も大きく、今後は現在の好成績から数字がやや悪化していく「反動」が出る可能性もあると言われているのが現状だ。
MLBのトレード市場は毎年7月31日(日本時間8月1日)が事実上の締切日となる。この日までに勝ち組と負け組がはっきり分かれ、「優勝を狙うチームは補強」「敗退が濃厚なチームは主力放出」を進めていく。
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今季のオリオールズは、シーズン前には地区優勝争いも期待されていたが、いざ開幕するとここまで27勝39敗(日本時間6月12日時点)と低迷。ブランドン・ハイド監督も解任され、すでに再建フェーズに入りつつある。
マイク・エリアスGMも今後、契約が今季限りの選手を中心に売却を進める可能性が高いとされる。実際、『ニューヨーク・ポスト』は今季限りでフリーエージェントとなる菅野の放出確率を60%と予測しており、上述の『Bleacher Report』なども有力売却候補のひとりとして菅野の名前を挙げている。
米老舗メディアスタッフの「分析」
一般的なトレード市場の動き方としては、「短期契約で今すぐ計算できるベテラン投手」という菅野の属性は、毎年夏のこの時期に最も動きやすいカテゴリーに当たる。長期的なエース格ではなくとも「今すぐ使える安定型のローテーション要員」として、優勝争いを進める複数球団がローテーションの5番手や6番手を埋める存在として獲得を検討するのが典型的なパターンだ。
では、こうした移籍市場での価値を鑑みて、果たして菅野の去就はどうなるのだろうか?
アメリカで140年近く続く老舗メディア『スポーティング・ニュース』のコンテンツプロデューサーであるダン・トレイシー氏の分析は、次のようなものだ。
<次回へつづく>

