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「日本では窮屈さを感じていた」長嶋茂雄25歳が“普通の若者”に戻った日…あの“国民的スター”との青春秘話「最後まで裕ちゃんの中に茂雄ちゃんが…」 

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安藤嘉浩

安藤嘉浩Yoshihiro Ando

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photograph byBUNGEISHUNJU

posted2025/06/04 17:34

「日本では窮屈さを感じていた」長嶋茂雄25歳が“普通の若者”に戻った日…あの“国民的スター”との青春秘話「最後まで裕ちゃんの中に茂雄ちゃんが…」<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU

6月3日に89年の生涯を閉じた「ミスタープロ野球」長嶋茂雄。誰もが知る国民的スターにも、“普通の若者”として過ごせる時間があった

病に伏せた石原裕次郎「1階にシゲが来ている…」

 昭和9年生まれの石原裕次郎さんと、昭和11年早生まれの長嶋茂雄さん。

 昭和12年生まれの美空ひばりさんと、昭和15年生まれの王貞治さん。

 古き良き時代の芸能界とプロ野球界で輝きを放ったスーパースターたちが、青春時代に交流した日々のエピソードは、たまらなく魅力的だった。

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 裕次郎さんは昭和が終わろうとしていた1987年、ひばりさんは時代が平成に入ってすぐの1989年に亡くなった。ともに52歳という若さだった。

 長嶋さんは昭和から平成、そして令和へと3時代を生き抜き、病に倒れた後もリハビリに励み、私たちに様々な話題を提供して日本中に元気を届け続けてくれた。

 まき子さんから聞いた忘れられないエピソードがもうひとつある。

 裕次郎さんは1987年4月、静養先のハワイで体調が悪化して緊急帰国。慶應義塾大学病院に再入院した。

 意識が朦朧としている裕次郎さんが、突然、こんな言葉を口にしたという。

「1階にシゲが来ている。迎えにいってくれ」

 まき子さんは驚いた。

「最後まで裕ちゃんの中に、茂雄ちゃんがいたんです。それだけ素晴らしい青春時代を一緒に送ったんだと思います」

 今ごろ、2人は再会を楽しんでいるかもしれない。

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