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「おまえにはロマンはいらない」西武・山田陽翔“甲子園のアイドル”を脱ぎ捨ててリリーフで開花…21歳の成長を支えたコーチの“ある言葉” 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2025/05/22 17:00

「おまえにはロマンはいらない」西武・山田陽翔“甲子園のアイドル”を脱ぎ捨ててリリーフで開花…21歳の成長を支えたコーチの“ある言葉”<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

5月17日オリックス戦で初勝利を挙げた山田陽翔は話題の「クソデカネックレス」を首からかけて笑顔を見せる

「全球種で勝負していきたい」

 山田は語る。

「スライダーとシュートで左右、フォークと真っ直ぐで上下と、4方向に投げ分けることができるようになります。僕は、球種は多ければ多いほどいいと考えていますね。真っ直ぐだと思ってバッターが打ちに来たのに、ちょっと動いてゴロになったり……。それだけでも十分だと思うので、これからも全球種で勝負していきたいです」

 今年の1月、平良海馬とともに自主トレーニングを行った際に、持ち球を解析した。「シュートはそれまで投げていたツーシームなどのスプリット系のボールとも全く違う回転数で、回転の軸が違う」と、改めて自分にとって有効なボールであることを確認したという。

一軍定着…その先へ、飛躍する21歳

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 山田の成長について豊田コーチが語る。

「相手バッターのタイミングが合い出したら自分でボールを持つ時間を長くするとか、ランナーが走りそうなときに的確に牽制球を投げるなど、状況判断ができるところが山田の長所です。自分主導のピッチングができる。だからこそ早く打者を追い込んで、いかに自分の有利なカウントでバッターと勝負できるかが大切になってきます。一軍に定着するためには、そこを磨いていくことが大事だといつも話していますね」

 まずは一軍定着が目の前の目標となるが、山田は「自分がやることはわかっている」と冷静だ。

 体力的に厳しい夏場の登板や、一軍だからこそ発生する精神的な疲労など、これからも山田の前にはさまざまな壁が立ちはだかるはずだ。そういったプロの洗礼を乗り越え、さらに前に進む21歳右腕の成長に期待したい。

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