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「おまえにはロマンはいらない」西武・山田陽翔“甲子園のアイドル”を脱ぎ捨ててリリーフで開花…21歳の成長を支えたコーチの“ある言葉”

posted2025/05/22 17:00

 
「おまえにはロマンはいらない」西武・山田陽翔“甲子園のアイドル”を脱ぎ捨ててリリーフで開花…21歳の成長を支えたコーチの“ある言葉”<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

5月17日オリックス戦で初勝利を挙げた山田陽翔は話題の「クソデカネックレス」を首からかけて笑顔を見せる

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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 5月17日のオリックス・バファローズ戦。9回に同点に追いつかれたライオンズが延長10回、マウンドに送ったのはプロ入り3年目の山田陽翔だった。山田は巧みなピッチングでその回を0点に抑え、10回裏にライオンズがサヨナラ勝ちを収めたことで勝利投手に。試合後、手渡されたのは二軍でも手にしたことがなかったプロ初勝利のウィニングボールだった。

“甲子園のヒーロー”からの脱皮

 山田は近江高校から2023年、ドラフト5位で埼玉西武ライオンズに入団した。高校時代は3度甲子園に出場し、通算11勝を挙げた高校野球のヒーローである。1年目は故障もあり二軍で3試合のみの登板に終わる。2年目の昨シーズン、中盤から徐々に二軍で結果を出し始め11月から12月に台湾で行われたウィンターリーグではリリーフとして所属チームの優勝に貢献。今年、初めて一軍の春季キャンプに呼ばれオープン戦を一軍で過ごした。開幕一軍登録こそ逃したものの2日目に急遽、昇格。慌てて荷物をまとめて二軍の球場から隣のベルーナドームにやって来た。

 山田は語る。

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「豊田コーチ(清・投手コーチ)からは“おまえにはロマンはいらない。とにかく結果を出せ”とずっと言われています」

「ロマンはいらない」豊田コーチの思い

 その思いについて豊田投手コーチが明かす。

「黒田将矢や羽田慎之介といったポテンシャルの高い投手は力いっぱい投げてフォアボールを出しても、その後、抑えればいいと私は思っています。課題があっても期待値が上回るからです。

 でも山田の場合は現状、ボールが速いわけではないですから、無駄なフォアボールや、カウントを悪くするようなピッチングをすれば、すぐに別の投手にその位置を取って代わられます。そういう意味で、とにかく結果を見せろ、ということは言いましたね。山田は非常に頭のいい子なので、そう言えば自分がどういうピッチングをすべきなのか理解してくれるだろう、と」

【次ページ】 中継ぎで発揮する「存在感」

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