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高校卒業後「わずか1カ月」の衝撃…“18歳のルーキー”がなぜBリーグの超強豪で活躍できる? 千葉ジェッツ・瀬川琉久の規格外「リアル評」
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2025/05/10 11:01
4月に高校を卒業したばかりの18歳のルーキー・瀬川琉久が主力級の活躍を見せる千葉ジェッツ。新人の覚醒理由は…?
その意味で、瀬川と現代表のホーバスHCとの相性の良さはある。瀬川が高卒でプロ入りを決めた大きな理由の一つは、2028年のロサンゼルス五輪に出場することだが、その目標設定が決して絵空事ではないことはおわかりだろう。
そんな瀬川は先日、ジェッツのホームタウンをカバーする地元紙「千葉日報」の星野拓海(ジェッツOBで、現在の市立船橋高校バスケ部監督)との対談のなかで、座右の銘として以下の言葉を挙げていた。
「なりたい自分を演じ続ければ、いつかそれは本物になる」
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役割を演じるというのは英語で表現すれば、「Play my role」。
瀬川は18歳とは思えない知的さをもって、自身の役割が何かを理解し、それを高いレベルで演じ続けている。
いよいよ始まるCSを前に「不安はないのか?」と問われたときには「ない」と即答した。「1年でもっともしびれるこの時期の試合を楽しめているのか?」と問いかけると、こう答えた。
「毎試合、毎試合、本当に楽しませてもらっています」
「いま完成形になるというよりは…」
彼はスポーツの本質である、楽しんで体を動かすことを忘れていない。
それでいて、バスケで勝つためにやらないといけない役割を演じるだけの知性と能力がある。だから、楽しさを口にする一方でこうも付け加えていた。
「いま完成形になるというよりは、試行錯誤をしながらやっています。(リスクを背負って)行くべきところと、行かない方が良い時というのを、CSに向けて、いろいろ考えながらやっています」
楽しむことと、勝つことは両立できる。
むしろ、プレッシャーのかかる大舞台で力を発揮できるアスリートは、緊張したり、期待や責任を背負いながらも、試合を楽しめる能力を持っている。
だからこそ、瀬川はplayするスポーツとして生まれたバスケットボールの申し子のような選手なのだ。

