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核心にシュートを!BACK NUMBER
高校卒業後「わずか1カ月」の衝撃…“18歳のルーキー”がなぜBリーグの超強豪で活躍できる? 千葉ジェッツ・瀬川琉久の規格外「リアル評」
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2025/05/10 11:01
4月に高校を卒業したばかりの18歳のルーキー・瀬川琉久が主力級の活躍を見せる千葉ジェッツ。新人の覚醒理由は…?
若い選手は年齢ゆえに恐れを知らず、大胆にプレーできる。だが、得意なプレーを封じられるなど、一つ歯車が狂うと、途端に力を発揮できなくなることがよくある。
それに引き換え瀬川は、活躍できている状況でも冷静だ。その勢いに乗るのではなく、その後に来る相手の対応を予想し、対策を考えている。
そうした知性はコート上で対戦する選手にも伝わるのだろう。アルバルクを引っ張る日本代表PGのテーブス海は対戦後にこんな感想をもらしていた。
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「同じ神戸が地元ということで、僕は昔から彼のことをよく知っています。どれくらいのレベルの選手かというのも……。(秘めたポテンシャルが)怖いですね、彼は(笑)」
ただ、それ以上に注目すべきは、勝つために大切なことを理解しているところにある。
それが「役割」を実行する作業だ。
4月27日の秋田ノーザンハピネッツ戦。僅差でリードしながら試合終盤を迎えたため、残り1分を切ってからも、秋田はオールコートでディフェンスをしてきた。秋田は守備が強みで、全得点に占める「相手のターンオーバーからの得点」の割合がリーグトップだ。だが、そんな相手にひるむことなく、瀬川はボールを受け続けた。
そして、ファールをもらえばそのフリースローをことごとく沈めた。
2人がかりで自分にプレッシャーをかけてきたら、2選手の間を割って突破してみせた。
ダブルチームでも「抜ける自信がある」
心理面での重圧も、コート上で相手がしかけてくる守備のプレッシャーも、ものともせずボールを受け続けた理由を問うと、その答えはやはり明確だった。
「自分はハンドリングに自信があるので。ダブルチームにこられようが、抜ける自信があって。たとえ相手がファールゲームをして来なくても、そこで(攻撃を)クリエイトできるのがガードだと思っているので、ボールを貰いにいきました。フリースローも自分はめちゃめちゃ良いというわけではないんですけど、自信を持って打てているので」

