「おいおい、密約かよ…」中日がドラフト3位で“まさかの強行指名”「星野仙一が獲得を熱望した」甲子園のヒーロー“密約説は真実か？”本人に聞いた真相 

「大学進学はブラフか」“密約説”を本人に直撃すると…

　当時の明治は、“御大”と呼ばれた名物監督・島岡吉郎が健在であり、大学の体育会特有の上下関係の厳しさ、常軌を逸した規律が残っていた。とにもかくにも、入学のお膳立てまで済んでいた上原を中日が強行指名したのは出来レースだったのではないか、とみる向きがある。86年までNHKの解説者だった星野仙一は上原の剛腕に惚れ込み、その後、中日の監督に就任してすぐスカウト陣に「何がなんでも獲れ！」と命令を下したという話もある。獲得交渉のために自ら沖縄へ向かう機上の中で、星野は「あいつは将来のエースになれる。それだけ大きな器だと思っている」と呟いたという。

　言わずもがな、星野の母校は明治大学であり、栽や島岡に裏で話を通して上原に明治への進学を明言させることで、他球団からの包囲網をといたのではないか。この“憶測”を上原に直接ぶつけてみた。

「中日に入るための戦略ってこと？　ありえない、ありえない。もしそれが本当だとして、漏れたら大問題になるね」

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　上原はよもやま話を聞いているかのような表情で完全否定する。当時の関係者である星野、島岡、栽はみな鬼籍に入り、真実がどうだったのか今となっては明らかにすることはできない。“大人たちの思惑”がどこにあったにせよ、18歳の上原晃はドラゴンズのユニフォームに袖を通すことを自ら決断したのだった。

＜第2回に続く＞

#2に続く

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#1

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