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“ほぼイップス”状態から3年「その球が打てるなら大丈夫」師匠ジャンボ尾崎の言葉を支えに…23歳西郷真央の激動ゴルフ人生 

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田中宏治

田中宏治Koji Tanaka

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photograph byAlex Slitz/Getty Images

posted2025/04/30 11:08

“ほぼイップス”状態から3年「その球が打てるなら大丈夫」師匠ジャンボ尾崎の言葉を支えに…23歳西郷真央の激動ゴルフ人生<Number Web> photograph by Alex Slitz/Getty Images

「シェブロン選手権」を制して米ツアー初優勝を飾った西郷真央(23歳)。恒例の池ダイブではマネージャーとTVレポーターを引き連れて勝利を祝った

 初優勝は翌シーズンの開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」。ここから10試合で5勝、2位2回と驚異的な成績を残すが、直後には一転して極度のスランプに陥る。ドライバーの不調はゴルファーにとって”不治の病”とされるイップスの4文字もチラついた。ここから抜け出せないまま迎えた最終戦の「JLPGAツアー選手権リコーカップ」では35オーバーの大叩きで最下位の40位。39位の選手とは24打も離れていた。棄権してもおかしくないような状況だが、4日間を戦い抜いた。

 オフシーズンはスランプ脱出のためにこれまで以上に練習に取り組んだ。「あまりにグリップの消耗が早かったのでオフの間は交換せずに使い続けました」という言葉にその練習量が表れている。2023年の開幕時点では復調と言える状態ではなかったが、夏場から調子を上げていく。そして、11月の「伊藤園レディス」で1年6カ月ぶりとなる国内ツアー6勝目。米女子ツアーのQスクール挑戦を目前に復活を果たした。

支えになった師匠ジャンボ尾崎

 練習の他に西郷の不安を和らげることができるのはジュニア時代から指導を受けてきた師匠の尾崎将司の言葉。スランプからの復調過程でジャンボから「その球が打てるなら大丈夫」と太鼓判を押されたことが心の支えであり、自信にもなった。今やジャンボアカデミー出身者の出世頭。今回の「シェブロン選手権」優勝直後のインタビューでもジャンボへの感謝を口にした。

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 メジャー制覇という大きな目標をクリアしたばかりだが、西郷は早くもさらなるメジャータイトル獲得と世界ランク1位という次なる目標を掲げた。

「自分がやるべきことは変わらないと思うので全力で頑張りたいと思います」

 目標に向かってストイックに努力を重ねる姿勢はこれからも変わることはない。

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