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「今日はあんたの大好きな焼酎を…」“気遣いの人”尾崎将司の知られざる素顔とは「ジャンボには本音と建前の境界がほとんどない」

posted2022/03/14 17:01

 
「今日はあんたの大好きな焼酎を…」“気遣いの人”尾崎将司の知られざる素顔とは「ジャンボには本音と建前の境界がほとんどない」<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

1986年の日本オープン、多くのギャラリーを引き連れてラウンドする尾崎将司

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金子柱憲

金子柱憲Yoshinori Kaneko

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プロ野球選手からプロゴルファーに転向し、プロツアー史上最多の通算113勝をあげ、世界ゴルフ殿堂入りも果たしたジャンボ尾崎こと尾崎将司氏。圧倒的な実力と歯に衣着せぬ発言の数々で、ファンもアンチも夢中にさせたレジェンドの素顔とは。長年その姿を見続けてきた愛弟子・金子柱憲氏の著書『誰も書けなかった ジャンボ尾崎』(主婦の友社)の一部を抜粋し、史上最強ゴルファーの魅力的な人柄に迫った。(全2回の2回目/前編へ)

素顔のジャンボ~義理人情~

 ジャンボについて世間一般の人たちは、どのようなイメージを持っているのでしょう。少なくとも穏やかでおとなしい人間だと思う人は、間違いなく皆無だと思います。

 というより、自由奔放に生きて、良し悪しにかかわらず思ったことをすぐに言葉にする人。ジャンボには、本音と建前の境界がほとんどありません。 

 高校時代には、徳島県の海南高校で野球部に所属し、エースで4番打者。春の甲子園では初出場で優勝を果たしました。高校卒業後、プロ野球(西鉄ライオンズ、現埼玉西武ライオンズ)に入団しましたが、数年で退団し、プロゴルファーへの道を歩むのです。

 1970年にプロゴルファーに転向。プロ通算113勝、賞金王12回、世界ランキング最高5位、メジャー大会出場数49回(マスターズ19回、全米オープン13回、全英オープン10 回、全米プロ7回)、2013年には世界のゴルフ界に貢献した偉大なプレーヤーして、その功績が認められ世界ゴルフ殿堂入りを果たしました。

 ジャンボがどれだけ偉大な選手だったかは、この記録を見れば十分だと思います。

人を引き付ける大きな力を持つジャンボ尾崎

 ジャンボ尾崎とは、いったいどのような人なのか。一言で言えば建前よりも本音で人と接する人です。そのせいで、マスコミに叩かれたり、多くの非難を受けたりもしました。これは思ったことをそのまま公言してしまうジャンボの長所でもあり、短所でもあります。

 そして誰よりも仲間(弟子や友人)を大切にする人です。一度や二度程度会っても、ジャンボの人間性は分かりません。たぶん初めて会った人は、その威圧感で少々戸惑うはずです。しかし何度も接した人は、その人柄を理解すると思います。

【次ページ】 酒の席で漏らした本音「俺は人よりビビリだから…」

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