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“ほぼイップス”状態から3年「その球が打てるなら大丈夫」師匠ジャンボ尾崎の言葉を支えに…23歳西郷真央の激動ゴルフ人生

posted2025/04/30 11:08

 
“ほぼイップス”状態から3年「その球が打てるなら大丈夫」師匠ジャンボ尾崎の言葉を支えに…23歳西郷真央の激動ゴルフ人生<Number Web> photograph by Alex Slitz/Getty Images

「シェブロン選手権」を制して米ツアー初優勝を飾った西郷真央(23歳)。恒例の池ダイブではマネージャーとTVレポーターを引き連れて勝利を祝った

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田中宏治

田中宏治Koji Tanaka

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Alex Slitz/Getty Images

 昨シーズンの米女子ツアーの新人王・西郷真央がプレーオフの末に「シェブロン選手権」を制し、念願の初優勝をメジャーの舞台で果たした。

 日本人選手のメジャー制覇は昨年の「エビアン選手権」を制した古江彩佳に続いて5人目。2022年後半の大スランプを圧倒的な練習量で乗り越え、世界にその名を轟かせた。

プレーオフでライバルが次々と脱落

 波乱万丈という言葉がぴったりの最終日だった。

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 首位タイスタートの西郷は後半に3つスコアを落とし、1打差を追う立場で最終18番を迎えた。グリーン奥からの3打目はオーバーし、プレーオフ進出をかけたバーディーパットは3メートルの上りのスライスライン。これをど真ん中から沈めると、これでもかというほど、何度も右手でガッツポーズを繰り返した。

 18番で行われたプレーオフはトータル7アンダーで並んだ5人での争い。西郷とともに最終組でプレーしたリンディ・ダンカンがボギーで脱落し、勝負はバーディーパットを残す4人に絞られた。

 最初に奥から打ったキム・ヒョージュが左に外すと、殷若寧(インルオニン)、アリヤ・ジュタヌガーンはいずれもカップに嫌われる。3人のメジャー優勝経験者がバーディーを逃がし、最後に残ったのは西郷の1メートル。正規のラウンドでは一時10アンダーまでスコアを伸ばしたジュタヌガーン、プレーオフでは2オンに成功した殷が優勝に手を掛けたかに思われたが、諦めなかった西郷に勝利の女神が微笑んだ。

【次ページ】 ミレニアム世代の陰に隠れた存在

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