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野球出身ならではの「地獄のノック」も… 愛弟子が明かす尾崎将司“ジャンボ流トレーニング”のウラ側「階段の上り下りだけで激痛が…」

posted2022/03/14 17:00

 
野球出身ならではの「地獄のノック」も… 愛弟子が明かす尾崎将司“ジャンボ流トレーニング”のウラ側「階段の上り下りだけで激痛が…」<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

世界プロツアー史上最多となる113勝の記録を持つ尾崎将司。現在は「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」の指導者として辣腕を振るう

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金子柱憲

金子柱憲Yoshinori Kaneko

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原英莉花、笹生優花、西郷真央といったアカデミーの門下生たちが次々と活躍し、いまあらためて注目を集めているジャンボ尾崎こと尾崎将司氏。誰もが認めるゴルフ界のレジェンドは、なぜ指導者としてもずば抜けた実績を残すことができているのか。「ジャンボ軍団」の一員として活躍した金子柱憲氏による本人公認本『誰も書けなかった ジャンボ尾崎』(主婦の友社)より、現在まで通じる“ジャンボ流トレーニング”の一端を紹介する。(全2回の1回目/後編へ)

時代を先取りしていたトレーニング

 ジャンボは西鉄ライオンズ(現埼玉西武ライオンズ)を退団後、福岡でプロゴルファーを目指していて、その後、千葉県に移り、習志野カントリークラブに練習拠点を移したと聞いています。当時、習志野には多くのプロや研修生が練習をしていました。ジャンボのプロ入り後、そのメンバーたちがジャンボのもとへ集まるようになり、現在のジャンボ軍団と呼ばれるプロ集団を形成。野球出身者も多かったため、トレーニングも野球のトレーニングからヒントを得た内容になっていったと思われます。

 トレーニングは、時代とともに変化するものです。変化というより進化というべきでしょう。ジャンボ軍団のトレーニングも時代とともに進化してきました。

 今でも私がジャンボ邸を訪れるたびに、新しいトレーニング器具が増えています。アカデミーのジュニアたちにも、ありとあらゆる練習器具が用意されているのです。それらは、人それぞれの欠点を修正したり利点を伸ばすことに有効活用されます。

私が合宿に参加した時代のトレーニング方法

 38年前に私がジャンボ軍団に入門した頃、すでに野球のバットスイングやドライバーを短く切った特製のミニクラブを用いたスイング練習は取り入れられていました。

 バットも普通の硬式バットから徐々に改良され、先の部分に穴を空けておもりを埋め込み先端を重くしたり、バット自体を長くしたりと様々な工夫が施されました。

 こうした改良によって、素振りや独自のスイングドリルをゴルフスイングに反映させていました。

 グリップ部分も細く削り、ゴルフグリップに近い状態にしていました。今日では、ゴルフショップなどでゴルフグリップを付けた素振り用バットが販売されていますが、ジャンボは約40年前からこのような練習器具を取り入れていたのです。

【次ページ】 「筋肉隆々の体はゴルフに必要ない」

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