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太田蒼生、黒田朝日、若林宏樹…青学大がマラソンで続々活躍vs.駒澤大は真逆の“静かなるケニア式育成”…将来世界で戦えるのはどっちだ? 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2025/03/04 11:00

太田蒼生、黒田朝日、若林宏樹…青学大がマラソンで続々活躍vs.駒澤大は真逆の“静かなるケニア式育成”…将来世界で戦えるのはどっちだ?<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

東京マラソンで力走する太田蒼生。この冬、マラソン界の話題をさらった青学大に対し、静かだった駒澤大はどんな動きをしているのか?

 そうやって青学大は、結果を残してきた。2020年に吉田祐也が別府大分マラソンで2時間08分30秒の当時学生歴代2位、初マラソン歴代2位で日本人トップとなり、総合3位に入った。2023年の別府大分マラソンでは横田俊吾が2時間07分47秒を出し、2003年に中央大の藤原正和が出した2時間08分12秒を20年ぶりに更新。そこから学生記録が動き出すキッカケになった。

青学大の思惑と課題とは?

 青学大のマラソン挑戦には、従来言われてきた「マラソンの壁」を学生時代に打ち破り、早期に世界挑戦に繋げていくという思惑が見て取れる。学生のマラソンへのチャレンジをつづけ、陸上界全体を盛り上げ、学生のチャンスを広げようとしている。その流れは青学大を軸に広がっていきそうで、今後、国内の重要なマラソンレースにエリート枠で学生が数名出場できるような流れになっていくだろう。

 ただ、青学大の選手は、社会人になると学生時代ほどの勢いを感じられず、吉田もそうだったが伸び悩む時間が長い。学生時代の結果や成果を、どう社会人に繋げていくのか。卒業したら終わりではなく、在学中からマラソンをスケジュールに入れていく中で、その道筋を見つけていくことが、今後青学大には求められてくるのではないだろうか。

マラソンに出てこない駒澤大

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 青学大勢がマラソン界を席巻する中、不気味なほど静かなのが駒澤大である。

 オレゴン世界陸上マラソン代表の西山雄介(トヨタ)、東京五輪マラソン日本代表の中村匠吾(富士通)、ブダペスト世界陸上マラソン代表の山下一貴(三菱重工)ら、世界に出て戦った駒澤大出身の選手は多くいる。

 だが、主力選手はハーフまでの距離に止めている。

 これは大八木弘明総監督による、学生時代と社会人数年は世界と戦えるレベルまでスピードを強化し、その後マラソンへ、という段階を踏んでの強化、育成方針があるからだ。大八木総監督が主宰するGgoatは、まさにその理念を体現している。駒澤大の主力選手や実業団の垣根を越えて集まった選手は、5000m、10000mに照準を合わせ、世界を見据えてスピードを強化している。

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