ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
「SNSやってないから君の受賞はムリ」と言われたボランチがバロンドール「イニエスタに即返信」「マンCと代表が…幸運だ」ロドリの熱弁
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph byVisionhaus/Getty Images
posted2025/02/03 17:30
バロンドールのトロフィーにキスするロドリ。中盤深い位置の選手の受賞はサッカー史を変えたとも言える
「心からの言葉でなければ意味がないだろう。驚いたのは、誰もが『前もって知らされていたのだろう』と言ったことだ。しかし式の前には、誰からも何も言われなかった。それが今年のやり方だと伝えられていたし、そのやり方がうまくいったと思うのは、勝者ですら最後の瞬間まで受賞がわからなかったからだ」
イニエスタには真っ先に返信したよ
そうであるからこそ、レアル・マドリーのクラブをあげての欠席には心底驚いたという。
「昼にパリに向かおうとするときにメッセージが友人たちから送られてきた。最初に思ったのは、そんなことは信じられない。偽の情報だろうというものだった。だが、パリに到着したときには、僕を祝福するメッセージが増えていた。
ADVERTISEMENT
メッセージは700以上来たよ。まだそのすべてに返事を返してはいない。2~3カ月はかかるだろう(笑)。ただ何人かにはすぐに返信した。真っ先に返したのはアンドレス・イニエスタだ。僕に言わせれば彼はスペイン史上最高の選手で、バロンドールに値する選手でもある(2010年は2位、2012年は3位にランクイン)。祝ってもらえるのは本当に名誉なことだ」
友人たちは、「これはサッカーの勝利だ」と述べて彼の受賞を祝福した。その意味を、ロドリ自身はどう捉えているのだろうか。
「サッカーの別の側面が評価された。それはゴールや仕掛け、1対1といったスペクタクルなものではない。エンジンルームの中で90分間プレーをコントロールし、監督がピッチで要求することを確実に遂行する。チームのバランスを取りながらチームの個性を引き出し、攻守にわたりプレーを構築することだ。友人たちは、それがサッカーにとってよいことだと強調したかったのだろう」
SNSアカウントを持ってないから受賞は無理だろうと
また守備的MFの受賞は、若い世代にも大きな影響を与えると彼は言う。
「サッカーには得点する以上にやるべきことがたくさんあることを示したかった。若者たちがコレクティブな選手を目指すのを勇気づけられる。たとえ縁の下の存在で、派手な活躍で人の目を引くことはないにしても。
例えばダニ・カルバハルのような選手はバロンドールに十分値する。それだけの大きなインパクトをプレーで与えているが、サイドバックの彼が受賞する可能性は中盤の僕よりも低い。残念ながらそれが現実だ」
ただ、スペインのメディアが本命として推していたのはロドリでもカルバハルでもなく、レアルのビニシウスだった。

