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「ザイオンは見事だが、イタクラはらしくない」ブラジル人記者が日本4-0インドネシアを“本音で評価”「MOMはモリタ。残り5戦2勝でほぼ…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byRobertus Pudyanto/Getty Images
posted2024/11/17 17:18
インドネシア戦立ち上がりの大ピンチをビッグセーブで防いだ鈴木彩艶。ブラジル人記者はこのプレーが展開を左右したと評した
――それでも、スタジアムは6万人以上の大観衆で埋まり、懸命に応援していた。
「スタンドでゴジラの巨大なコレオグラフィーを作るなど、非常に盛り上がっていたね。インドネシアのレベルアップは、アジアのフットボール全体にとっても喜ばしい」
――話を試合に戻しましょう。後半17分、日本は三笘と堂安律を下げて伊東純也と菅原由勢を入れた。
「菅原を右WBに入れて、守備を強化。伊東はいつもの右WBから1列前で、より攻撃的な役割を担った」
――その菅原が、攻撃面で大きな仕事をやってのけます。後半24分、伊東とワンツーパスを決めて右サイドを抜け出し、中へクロスを入れると見せかけてニアサイド上へ強烈なシュート。ブラジルのテレビは、「美しいゴール」と褒めていた。
「久々の出場で、このチャンスをモノにしようと必死だったのだろう。彼は、その後にも惜しいロングシュートを放った。SBだけど、攻撃面でも役に立つことを強烈にアピールした」
――そして、後半34分に鎌田を外してMF旗手怜央を、小川の代わりにCF大橋祐紀を起用。大橋は代表初出場でした。
「森保監督は、これまで出場機会が少なかった選手にチャンスを与えた。大橋は、旗手から絶妙のロングパスを受けてGKと1対1になったが、GKにシュートを阻まれた。判定はオフサイドだったけれど、実際はオンサイド。もしシュートが決まっていたらVARが発動され、得点が認められていたと思う。代表での初得点を逃したのが悔やまれる」
MOMはモリタ。イタクラはらしくなかった
――マン・オブ・ザ・マッチには誰を選びますか?
「文句なしに守田。中盤でしっかり守り、チームの攻撃のタクトを振り、ゴールまで決めた」
――他に良かったと思う選手は?
「菅原は、守備では危なげなかったし、素晴らしいゴールを決めた。鎌田は、最初の2得点のお膳立てをした」
――では一方で、物足りなかった選手、微妙な出来だった選手は?
「板倉は、彼らしくないミスをいくつも犯した。ザイオンは前半9分の守備は素晴らしかったが、後半、右CKをキャッチし損ねてヒヤリとさせた」
――日本のフォーメーションと選手起用をどう考えますか?
「アジアでは対戦相手が徹底的に守ってくるから、3-4-2-1でWBには攻撃的な選手を起用して相手ゴールをこじ開けるのは正解だと思う。先制して、後から守備的な選手をWBに入れて逃げ切ればいい。しかし、世界の強豪相手ではサイドを破られて失点する可能性が高い。その場合、試合の立ち上がりは守備力が高いWBを起用し、後で攻撃的な選手を投入するのが得策ではないかと思う」
残り5戦3勝なら突破確定、勝ち点6でも…アジア最強だね
――日本は、3次予選で10試合中5試合を終えて4勝1分の勝ち点13。うち3試合で4点差以上の大勝を収め、19得点、1失点。2位オーストラリアと3位サウジアラビア、4位中国に勝ち点7の大差を付け、独走しています。