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「清原正吾は野球をやめると思う」慶大の監督が激白…“ドラフト指名漏れ”から9日後、記者に語った後悔「覚悟あった。調査書が届きませんでしたから」
posted2024/11/04 18:10
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
JIJI PRESS
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「正直、ドラフト指名は99%ないだろうと」
運命のドラフト会議から九日(ここのか)が経過した11月2日、慶應義塾大学・下田グラウンドには前夜から冷たい雨が降り続いていた。翌週末に早稲田大学との慶早戦を控える体育会野球部は、午前10時半からJFE東日本とのオープン戦が予定されていた。
しかし、プレイボールの時間になってもダイヤモンドはシートで覆われたままだった。雨が小降りとなった11時になってようやくシートが外され、ベンチ外の選手たちがいっせいにグラウンド整備を開始する。
4年生にとって、この日はホームグラウンドで行う最後の練習試合になる。節目となる試合の中止だけは回避したい。そんな塾生たちの意気込みが迅速な整備にも表れていた。試合は1時間半遅れて正午にスタートした。
10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議において、西武や巨人などで活躍した清原和博を父に持つ清原正吾の名は、支配下では呼ばれず、続けて行われた育成ドラフトでも呼ばれなかった。
「正直、指名漏れは覚悟していました。99%(指名は)ないだろう、と。だって、調査書が届きませんでしたから」
そう話したのは、慶大監督の堀井哲也だ。JFE東日本との試合後、筆者の独占インタビューに応じたのである。
届かなかった調査書…いま明かす“後悔”
NPBの12球団は、指名の可能性がある選手に対し、ドラフト前に調査書を送り、身体測定の数値や体の状態、ケガの既往歴などを記入してもらい、入団の意思をうかがう。一方、順位によっては指名を拒否する“順位縛り”がある選手などは、その意向も記して返送する。正吾に対して、調査書が一通も届かなかったというのは、指名を考えている球団がゼロだったということに等しい。堀井が続ける。