サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER

守田英正「アジアカップ敗戦で言ったこともそうだし…」報道陣に緊張が走った“提言”後に起きた変化…オーストラリア戦で見せたリーダーシップ

posted2024/10/18 11:01

 
守田英正「アジアカップ敗戦で言ったこともそうだし…」報道陣に緊張が走った“提言”後に起きた変化…オーストラリア戦で見せたリーダーシップ<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

オーストラリア戦でキャプテンマークを巻いてプレーする守田英正

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

PROFILE

photograph by

Kiichi Matsumoto

 敵地のサウジアラビア戦で2-0と快勝し、ホームのオーストラリア戦では苦戦しながらも追いついて勝ち点1を奪取。北中米W杯アジア最終予選の前半の山場である10月シリーズの2試合は、日本がまたひとつ上の力をつけていることを内外に印象づけるものとなった。その中で大きな存在感を見せたのがMF守田英正だ。

 遠藤航とダブルボランチのコンビを組んで出たサウジ戦では、守っては第一想定ではなかった4バックやロングボールへのアジャストに苦労しながらも耐えて無失点。攻撃では機を見てペナルティーエリアに進入して鎌田大地の先制点をアシストした。

 田中碧とコンビを組んだオーストラリア戦では、体調不良でベンチ外だった遠藤に代わって昨年6月以来となるキャプテンマークを巻いて奮闘。守備を固めてきた相手をうまく攻略できない中でも、最低限の勝ち点1を手にし、この試合のMVPに選出された。

 難敵との2試合を含むアジア最終予選4試合を終え、日本は2位以下に勝ち点5差以上をつけて首位を独走するという理想的な位置にいる。その背景には、守田が「あれがあったから今がある」と言う、象徴的なタイミングがあった。

あの“アジアカップ敗戦”が転機に

 中東勢のパワーに屈してベスト8であえなく散った今年のアジアカップ。準々決勝でイランに1-2と逆転負けを喫した後のミックスゾーンで、守田は取材陣を前にとうとうと思いを語り続けていた。イランとの試合では前半28分に上田綺世とのワンツーからペナルティーエリア内に進入して鮮やかな先制点を決めた。そのまま逃げ切れば殊勲となる一撃だった。

 しかし、日本は後半に追いつかれ、逆転された。

「たまたま僕が決めただけで、それ以外は仕事ができなかった。同点ゴールを決められてから、僕自身も含めてボールを握るのが怖くなり始めた」

 守田はピッチで起きていたことを包み隠さずに語った。

 アジアカップで喫した黒星は準々決勝だけでない。日本はグループリーグでイラクに敗れており、イランにはそのイラクと同じようなロングボール攻撃でやられた。イラク戦を踏まえた修正があいまいだった日本は、同じ轍を踏んで敗れ去ったのだった。

【次ページ】 報道陣にも緊張が走った“守田の発言”舞台裏

1 2 3 NEXT
#守田英正
#森保一
#北中米W杯

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ