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「マサは前GMが獲得した選手だから…」吉田正尚トレード再燃の真相は? 過渡期レッドソックスに“31歳の打撃職人”の居場所はあるか 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byGetty Images

posted2024/10/08 06:00

「マサは前GMが獲得した選手だから…」吉田正尚トレード再燃の真相は? 過渡期レッドソックスに“31歳の打撃職人”の居場所はあるか<Number Web> photograph by Getty Images

故障も重なり、昨季を下回る成績に終わったレッドソックス吉田正尚(31歳)

 9月29日の今季総括会見時、「万全ではない中でも後半戦は結果を出し、自信を深められた部分もあったのでは?」と尋ねた際の吉田の返答も力強いものだった。

「今季は打球に角度とスピードをつけてというのを取り組んできたんですが、それだけでなく、(ジャクソン・)メリル、(フレディ・)フリーマン、(アーロン・)ジャッジのスイングを見て、身体で角度をつけるような打ち方に気づかされたんです。手ではなく、身体の角度という点を学べたというか、発見があったなと思います」

 この時、実に約2分20秒にわたってジェスチャー入りで自身が学んだスイングについて説明する31歳の目は輝いて見えた。

 これまで以上にサイドラインで見ている時間が多かったシーズンの中で、独自の信念を持つ打撃職人はこれまでにない手応えも感じたのだろう。だとすれば来季、今季よりはいい体調で臨めるシーズンのさらなる飛躍を今から楽しみにしておきたい。そして、明らかに過渡期にいるレッドソックスの構想が変わりつつあるのであれば、別のチームに移籍することが悪い流れだともまったく思わない。

 所属チームがレッドソックスのままであろうと、それ以外のチームになろうと、1年目に種を蒔き、2年目に苦しみながら水をやった吉田が、メジャー3年目にして開花を迎えても不思議はないように思えてくる。

 ただ一つだけ確かなのは、2025年が吉田にとって極めて重要なシーズンになるということだけである。

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#吉田正尚
#ボストン・レッドソックス

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