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「マサは前GMが獲得した選手だから…」吉田正尚トレード再燃の真相は? 過渡期レッドソックスに“31歳の打撃職人”の居場所はあるか 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byGetty Images

posted2024/10/08 06:00

「マサは前GMが獲得した選手だから…」吉田正尚トレード再燃の真相は? 過渡期レッドソックスに“31歳の打撃職人”の居場所はあるか<Number Web> photograph by Getty Images

故障も重なり、昨季を下回る成績に終わったレッドソックス吉田正尚(31歳)

 このように放出の噂が出ることを残念に思うファンもいるのかもしれない。伝統の赤靴下軍団で勝利に貢献する姿が見たいという気持ちも理解できる。

 ただ、今さらながら、移籍の盛んなメジャーリーグではトレード話は誰にでもあること。すべての後で、これから先に何が起ころうと、2025年も吉田のバットにはまだまだ期待が持てるという事実に変わりはない。

“チャンスに強い”吉田正尚の価値

 今季はさまざまな故障を抱えながら、それでもオールスター後は打率.299、OPS.823。ヤンキースタジアムでのヤンキース戦で9回2死から同点2ランを放った7月5日のゲームに代表されるように、1年を通じて印象的な活躍も少なからずあった。特に走者がいる場面では打率.326、OPS.940。2死で得点圏に走者を置いた際には.439(41打数18安打)、OPS1.174とチャンスに強かったのが2024年の特徴でもあった。

「ヨシダのOPS+は115(取材時の数字・今季の最終的な数字は112)でメジャーの平均を大きく上回っている。DHの選手としても上質な数字であり、特に後半戦の貢献は特筆されるべきだ。ヨシダはメジャーリーグの中でも上位にランクされる選手であり、チームはリーグの平均以上の選手を望んでいる」

 ロサンゼルスで9月下旬に顔を合わせたスコット・ボラス代理人はそう述べ、メジャーリーガーとしての吉田の価値を強調していた。もちろんエージェントがクライアントを称賛するのは当然としても、少なからず研究されて迎えたメジャー2年目のプレーの中で、吉田は改めて打撃技術の確かさを証明したともいえる。

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#吉田正尚
#ボストン・レッドソックス

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