メジャーリーグPRESSBACK NUMBER

「マサは前GMが獲得した選手だから…」吉田正尚トレード再燃の真相は? 過渡期レッドソックスに“31歳の打撃職人”の居場所はあるか 

text by

杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2024/10/08 06:00

「マサは前GMが獲得した選手だから…」吉田正尚トレード再燃の真相は? 過渡期レッドソックスに“31歳の打撃職人”の居場所はあるか<Number Web> photograph by Getty Images

故障も重なり、昨季を下回る成績に終わったレッドソックス吉田正尚(31歳)

 こうして厳しいシーズンを終えた吉田だが、今オフは安息の時間にはならないかもしれない。今季のレッドソックスは81勝81敗。3年連続でプレーオフ進出を果たせなかった名門チームの周囲には変化の予感も漂っている。シーズン終了直後、一部の地元メディアが改めて吉田のトレードの可能性を伝えているのはメジャーリーグに詳しいファンならご存じの通りである。

「肩のケガの状態と、あとはレッドソックスがマサの残りの年俸をどれだけ飲むか次第だが、トレードの可能性はあると思う。マイナーにはトッププロスペクトが出番を待っている。もともとマサは(クレイグ・)ブレスロー編成本部長ではなく、前のGMが獲得した選手だから感情的な結びつきがあるわけでもない」

 ボストンのある地元メディアはそう述べていたが、実際に吉田のトレード話はブレスロー氏の着任直後だった1年前のオフにも出ていた。

外野陣は飽和状態、オフに肩の手術も…

 ここで言及されたトッププロスペクト、ローマン・アンソニーは左打ちの外野手であり、2024年は2Aと3Aで合わせて打率.291、18本塁打、21盗塁(3Aでは35試合で打率.344、3本塁打)。前出の地元メディアが「来春にはもう準備ができているかもしれない」と話したのも頷ける成績であり、その存在は来年度のチーム編成にも影響を及ぼしかねない。

 レッドソックスには今年のオールスターでMVPを獲得した28歳のジャレン・デュラン、今季15本塁打と成長した25歳のウィルヤー・アブレイユという比較的若い外野手もいるだけに、人員は飽和状態になり得る。

「(今オフの手術は)あり得ると思います。それまでのことは全部やりました。肩なので、いろいろ制限はされる。自分は右投げ左打ちですので、(右肩が)すごく大事になる。そこらへんは僕だけの判断ではできないと思います」

 そう述べていた吉田だが、あと3年残った5年9000万ドル契約のうちの幾らかをレッドソックスが飲めるかどうか次第であるとしても、その力を発揮するのが来季は別のチームになったとしてももう驚くべきではない。

【次ページ】 “赤靴下軍団”で勝利する姿を見たいが…

BACK 1 2 3 4 NEXT
#吉田正尚
#ボストン・レッドソックス

MLBの前後の記事

ページトップ