熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「モリヤス采配は100点満点!」ブラジル人記者がホメた中国戦…MVPは三笘薫でも伊東純也、南野拓実でもなく「ゴールはご褒美」バーレーン戦も展望
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/09/10 11:04
森保監督は攻撃的な3バック採用で中国戦大勝を導いた
「2点リードされて、通常は攻撃の選手を増やすところなんだけど、逆に守備的になった。いかに中国が日本の攻撃を怖がっていたかがわかる」
――後半7分、日本は左サイドで三笘からの縦パスを受けた南野が見事なドリブルでマーカーをかわし、右足で強烈に蹴り込んだ。中継したブラジルのテレビのアナウンサーも「ゴラッソ!」(スーパーゴール!)と連呼する見事なプレーでした。
「前半の日本は、堂安と久保のコンビネーションを生かし、主として右サイドからチャンスを作った。しかし、ここでは三笘と南野の連係が機能した。この美しい得点で、事実上、勝負が決まったね」
イトウのゴールは…いやあ盛り上がったね
――日本は、その6分後にも左サイドの町田からのクロスを上田が残し、南野がゴール前中央から決めた。
「日本のグループ戦術が見事に機能した。左CBの町田と右CBの板倉滉(ボルシア・メンヘングラッドバッハ)は、機を見てボールを持ち上がり、攻撃の起点となっていた。特に、町田は後半7分の得点にも絡んでいた。CBでありながらSBの役割も果たし、中国はチームとして全く対応できなかった」
――その後、森保監督は伊東純也(スタッド・ランス)と前田大然(セルティック)を投入。後半32分、右サイドの久保からのパスを受けた伊東がシュートを決めれば、42分には伊東の右からのクロスを前田が頭で押し込んだ。さらに、後半アディショナルタイムには左へ流れていた伊東からの横パスを受けた久保が左足で豪快に蹴り込みます。
「日本の攻撃が炸裂して、中国は全くなすすべがなかった」
――スタンドの観衆は伊東の出場に大いに沸き、彼の得点やアシストに大喜びでした。
「いやあ、盛り上がったね」
――後半26分、森保監督は板倉に代えて代表初招集で試合前日、20歳になったばかりの高井幸大(川崎フロンターレ)も起用しました。
「これにも驚いた。でも、U-23代表のときと同様、高井は非常に落ち着いていながら積極的なプレーを見せた。彼のポテンシャルは本当に高い。今後がとても楽しみだ」
――日本のウイングバック(右サイドが堂安と伊東、左サイドが三笘と前田)の守備面での貢献をどう評価しますか?
「皆、本来はアタッカーだけど、必要とあれば自陣まで戻り、守備面でも頑張った。彼らはこれができるからこそ、超攻撃布陣が問題なく機能したんだ」
MVPはクボ。ザイオンは…いい意味で評価不能だ(笑)
――この試合のMVPには誰を選びますか?
「候補者がたくさんいる(笑)。南野、三笘、伊東……でも、一人だけ選ぶとすれば久保かな。右サイドでチャンスを作り、堂安との連係で適宜、ゴール前へと入っていって、1得点2アシスト。それ以外に、日本の2点目の起点にもなっていた。試合終了直前に自分でもゴールを決めたが、彼のパフォーマンスはゴールというご褒美を受け取るに値した」
――先発した攻撃ユニットの中で、上田だけが得点がなかった。