熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「モリヤス采配は100点満点!」ブラジル人記者がホメた中国戦…MVPは三笘薫でも伊東純也、南野拓実でもなく「ゴールはご褒美」バーレーン戦も展望
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/09/10 11:04
森保監督は攻撃的な3バック採用で中国戦大勝を導いた
「彼は常に多くのDFに囲まれ、そもそもシュートするチャンスがなかった。それでも、常に最終ラインとの駆け引きを繰り返し、他の選手のためにスペースを創り出していた」
――守備陣の評価は?
「ザイオン(GK鈴木彩艶=パルマ)はほとんど仕事がなかったから、チームが良かったという意味で評価不能(笑)。町田は攻守両面で素晴らしかったし、CB谷口彰悟(シント・トロイデン)と板倉もほぼ完璧なプレーをした。遠藤もいつもながら秀逸だったし、MF守田英正(スポルティング)もまずまずだった」
――とはいえ、中国の出来も悪かった。
「その通り。日本と中国との最初の対戦は1917年の第3回極東選手権で、日本は0-5と大敗している。その後、1990年まで20戦して4勝3分13敗と大きく負け越し。しかし、1991年(11月)にJリーグが設立されて以降は、14勝6分2敗と日本が圧倒している。1998年3月に東京で行なわれたダイナスティカップで0-2で敗れて以来、26年間、負けていない。それでも、日本が3点差以上で勝ったのは107年の歴史の中で初めてだった(注:2点差で勝ったのは6試合)。
攻撃的かつタカイも起用…モリヤス采配は100点満点
――この試合が、2022年W杯以降の日本のベストゲームだと思いますか?
「いや、対戦相手のレベルと状況を考えると、2023年9月9日のアウェーでのドイツ戦(4-1で日本が勝利)の方が上だと思う」
――森保監督の采配については?
「大方の予想を裏切って超攻撃的な3バックのフォーメーションを選択し、終始、中国を圧倒した。選手交代も的中したし、大きな注目を集めていた伊東に活躍の場を与え、若い高井にも大舞台での経験を積ませた。100点満点だろうね」
――何か改善すべき点はありましたか?
「この試合に限っては、何もない(笑)」
バーレーン戦はスガワラ、ナカヤマの出番かも
――長時間の移動を含めて中4日で、10日(日本時間では11日未明)、アウェーでバーレーンと対戦します。バーレーンは、アウェーでオーストラリアを倒すという快挙を成し遂げています。
「バーレーンの中盤には良い選手が揃っている。彼らのホームゲームでもあり、中国のように守備的ではなく、積極的に攻めてくると思う。中国戦とは打って変わって、難しい試合になるかもしれない」
――となると、バーレーン戦の日本のフォーメーションと先発メンバーをどう予想しますか?
「フォーメーションが3-4-3のままなら、両翼に菅原由勢(サウサンプトン)、中山雄太(町田ゼルビア)という本来はサイドバックの選手を起用することが考えられる。あるいは、4-4-2で戦うかもしれないね」
日本の圧勝を大いに祝福しながらも、「これが近年のベストゲームとは思わない」。このあたりが、温厚な人柄でありながらフットボールに関しては妥協しないチアゴ記者らしかった。
〈日本代表特集:つづく〉