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「大谷翔平をねじ伏せた」サイ・ヤング賞左腕カイケルがロッテに加入…ど緊張の選手たちも一瞬で打ち解けた“粋な挨拶”と「ウニ大好き」意外な素顔 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2024/09/05 11:03

「大谷翔平をねじ伏せた」サイ・ヤング賞左腕カイケルがロッテに加入…ど緊張の選手たちも一瞬で打ち解けた“粋な挨拶”と「ウニ大好き」意外な素顔<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

ロッテに加入したサイ・ヤング賞左腕のカイケル

「教えたという感じではない」

 小島が先生のように慕っているという話について尋ねると、カイケルは首を横に振った。

「教えたという感じではないよ。会話をした中で、少しはアドバイスをしたのかもしれないけど、最終的には彼が自分で気が付いたのだ。それにボクの方も会話の中から色々と吸収をしようとしている。いつだって、人と会話をするということはお互いが成長をするキッカケになるのだよ」

 教えたのではない。会話をすることでお互いが成長をする。いつも高みを目指している男の考え方だった。

青木宣親との写真は“宝物”

 元々、日本に興味があったのだという。MLBでこれまでチームメートになった日本人選手も数多い。レンジャーズでは有原航平投手(現ホークス)、ツインズでは前田健太投手(現・タイガース)。そしてアストロズでは青木宣親外野手(現スワローズ)とチームメートになり、日本の文化に触れた。

 特に印象的だったのは2017年、青木の日米通算2000本安打に立ち会えたことだった。

「彼の努力する姿、日々、打つために準備をして研究をする姿がとても印象に残っている。そして彼の日米通算2000本安打という偉業に立ち会うことが出来た」と自分の事のように嬉しそうに話をした。当時、チームからお祝いとして青木にシャンパンがプレゼントされた。そのシャンパンのラベルにチームメートたちが次々とサインを書いた。カイケルもその一人。今も自身のスマートフォンには、そのシャンパンを手にした青木との2ショット写真を大事に保存している。

お箸も器用に使って

 自ずと日本の文化にも興味を持った。アメリカにいる頃からお箸を使って日本料理を食べることにトライしていたといい、今では器用に使いこなす。夫人と「オフにいつか日本に行きたいね」と話をしていたなかで24年のシーズン半ばにマリーンズからオファーがあり、迷うことなく来日を決意した。

「最初に想ったのは日本でチャンピオンになりたいということ。ボクはアストロズでワールドチャンピオンになっている。日本でもチャンピオンになって、自宅に2つの優勝リングを並べることが出来たら最高だろうなあと思った。その夢を実現するために日本野球にトライしたいと思った」

ゴルフのベストスコアは「73」

 来日後も日本文化に積極的に触れあおうとしている。大阪遠征では大阪城に興味を持った。ゴルフが趣味でベストスコアは「73」だというカイケルは、オフの日には日本の打ちっぱなしに挑戦した。

「アメリカにも打つ練習をするところはあるけど、そこはフィールド。あんな感じでネットがあったり、様々なサービスがあったりということはない。でもそれも凄く面白かった。クールだよ」と笑った。いつか日本のゴルフ場でラウンドをしたいとも思っている。

 イチローと大谷翔平。日本を代表するメジャーリーガーの2人と対戦した経験もある。イチローに対しては2打数無安打、大谷は13打数2安打ときっちり抑えている。それはカイケルにとって誇りでもある。

思い出深い大谷翔平との対戦

「イチローさんとは何回か対戦したことがあるかな。ちょうどヤンキースに所属していた時。その時はジーターもいて、本当にタフな並びだった。大谷選手も今、ドジャースでは、とてもタフな打順だ。ベッツ、フリーマン、そして大谷さん。きっと殿堂入りするであろう3人と同じイニングで対戦をすることになることもあるピッチャーは本当に大変だよ。彼らとの対戦は本当に思い出深い。いい経験になっている。大谷さんを三振にとれたのは最高の経験だ」と胸を張る。

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