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「あの今宮も落ち目?」からの逆襲…ソフトバンク今宮健太(33歳)が明かす「ケガを怖がったプレーなんてしたくない」復活のウラに“ある人物” 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/09/03 06:01

「あの今宮も落ち目?」からの逆襲…ソフトバンク今宮健太(33歳)が明かす「ケガを怖がったプレーなんてしたくない」復活のウラに“ある人物”<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ソフトバンクのショートを守る今宮健太、33歳

「筋トレと呼ぶほどでもないです。30分あればできるし、大きな器具も必要ないから遠征先でもできます」

 シーズン中のコンディション維持はもちろん、やり始めて最も変わったのは一歩目の動き出しだったという。松田からは「絶対にやり続けろ」と言われた。その言葉を現在も守り続けており、今宮は「これが僕の野球人生の分岐点になったと思います」と頷く。

「ケガを怖がったプレーしたくない」

「準備。それしかないですね。おかげで、昨年あたりから守備での動きは少しずつ戻ってきたのかなと思っています。しっかりとミスなく、チームを助けられるように。当たり前のプレーをしてアウトにして、ピッチャーを助けていきたいなと思います」

 苦しかった頃には自信を失いかけたこともあった。だが、今は「不安な気持ちが少しでもあれば、ショートは守っていられないポジション」と言い切る。

 球団はベテランの域に差し掛かろうとしている今宮を考慮して7月末に26歳でコロンビア出身のジーター・ダウンズ(前ヤンキース3A)を獲得したが、当然ショートを明け渡す気などさらさらない。

「1年でも長くという気持ちは当然ありますが、目の前の1試合が常に大事。怪我を怖がったプレーなんてしたくない」

 ショート寿命10年説に屈することなく再浮上を遂げ、内野守備の花形ポジションで今シーズンも1試合1試合を華麗に、そして着実に守り抜いてきた。

 今、ソフトバンクは首位独走のまま9月を戦っている。「どれだけゲーム差があっても、やっぱり目の前の1試合ですよ」。チーム全体の気を引き締めるように今宮は度々そんな言葉を発してきた。4年ぶりにパ・リーグ優勝のゴールテープを切るその時まで、ソフトバンクは戦い方を何も変えることなく突き進んでいく。

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