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「あの今宮も落ち目?」からの逆襲…ソフトバンク今宮健太(33歳)が明かす「ケガを怖がったプレーなんてしたくない」復活のウラに“ある人物” 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/09/03 06:01

「あの今宮も落ち目?」からの逆襲…ソフトバンク今宮健太(33歳)が明かす「ケガを怖がったプレーなんてしたくない」復活のウラに“ある人物”<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ソフトバンクのショートを守る今宮健太、33歳

「若い頃は体のケアなんて全く気遣うことがありませんでした。だって、殆ど怪我をしなかったから。筋損傷という大きな怪我をしたけど、それでも最初はあまり気に留めてなかったんです。だけど、そこから数年間、毎シーズン怪我をするように。さすがに参りました」

 2019年は左太もも裏痛が再発。2020年には背中の張りに加え、左ふくらはぎのヒラメ筋部分の筋損傷でも離脱。この年は新型コロナウイルス蔓延により短縮シーズンだったが、それでも一軍定着後最少の43試合しか出場できなかった。2021年もキャンプ序盤に両ふくらはぎのコンディション不良を起こした。

「今宮も落ち目か…」変えた“松田の教え”

 2021年7月の誕生日で30歳になった。プロ野球選手としては一番脂が乗る時期だと言われるが、一方で球界には「ショート寿命10年説」という不穏な言葉も存在する。かつての名手たちが「ショート10年」を境にして成績が落ちたり、コンバートされたりした例が散見されたためだ。

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 ショートというポジションは内野守備の花形。守備範囲が広く、ダブルプレーや中継プレーでは高い精度が要求され、盗塁や牽制のベースカバーなど様々な役割を担うため、高い身体能力と適切な状況判断能力を持つ選手だけが担うことが許される。ゆえに心身をすり減らすことが避けられない。小柄であればその激しさは増す。

 そのため、乱暴な言い方になるが、今宮はもう落ち目だと見る向きもあった。

「遅かったけど、徐々に(身体ケアの重要性に)気づき始めて取り組みも変わりました。その中で一番大きな転機は2022年です。当時まだ一緒にプレーしていた松田(宣浩)さんはとにかく元気で。松田さんがチーム練習の前に必ずやっているルーティンがあったんです。それが(長く続けられている)秘訣だろうと思って、真似しながら一緒にやるようになったんです」

 今宮いわく、筋肉に軽く刺激を入れるトレーニングだという。

【次ページ】 「ケガを怖がったプレーしたくない」

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