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「月間打率.174だけど7本塁打」大谷翔平“試練の8月”歴代成績は? 取材記者陣が騒然となった肉声「“調子が悪い”のにトラウト超えOPSも」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNanae Suzuki,John Fisher/Getty Images
posted2024/08/19 17:02
8月の大谷翔平はエンゼルスとドジャースでどんな成績を残してきているのか
「トレードで売り手に回るとはそういうこと。チーム的にも士気高くやっていけていない」
23年:苦しむエ軍の中で、投打で奮闘もヒジの負傷
<証言4>
エンゼルスが大谷に全幅の信頼を寄せすぎたこと、そして大谷の気質をチーム側が理解できていなかったことがこういう残念な故障に繋がったんじゃないか。
(ディラン・ヘルナンデス/NumberWeb 2023年8月25日配信)https://number.bunshun.jp/articles/-/858584
◇解説◇
大谷の8月で最も大きな試練だったのは、やはりエンゼルス最終年、2023年のことだろう。
23日のレッズ戦のダブルヘッダー第1試合のこと。スターターとしてマウンドに立った大谷だったが、この日は100マイル(約160.9キロ)近いはずのフォーシームが90~94マイルほどしか計測せず、フォーム全体にも躍動感がなかった。そしてわずか26球で降板。これがこの年の「投手・大谷」の最終登板となった。
続く第2試合、大谷はDHとして打者で出場した(それも二塁打を放っている)ものの、現場はドタバタだった。現場にいた斎藤庸裕氏の取材によると、通常、第1試合後に取材対応する流れが、球団広報から「今、大谷は対応できない。可能なら、第2試合が終わった後に」と告げられ、第2試合後「ショウヘイは今夜、対応できない」と会見が開かれないことが告げられた。そしてその後、ペリー・ミナシアンGMが右ヒジ靭帯損傷の発覚を公表した。
エンゼルスはポストシーズン進出に一縷の望みをかけていたものの、マイク・トラウトらが負傷離脱し、大谷にかかる負荷は投打ともに大きくなっていた。その中で起きた降板劇について、冒頭の言葉を残したのはLAタイムズのディラン・ヘルナンデス記者だった。
18年~24年の「打者・大谷の8月成績」を比べてみると
最後に、打者・大谷がメジャーで残した各シーズンの8月成績を見ていこう。
〈大谷翔平・メジャー移籍後8月の打撃成績〉※2024年は8月18日終了時点
18年:61打数20安打6本塁打18打点 打率.328 OPS1.095
19年:96打数27安打1本塁打11打点 打率.281 OPS.744
20年:79打数16安打3本塁打11打点 打率.203 OPS.695
21年:94打数19安打5本塁打8打点 打率.202 OPS.749
22年:101打数32安打8本塁打20打点 打率.317 OPS1.039
23年:95打数30安打5本塁打14打点 打率.316 OPS1.004
24年:69打数11安打7本塁打12打点 打率.174 OPS.749
あらためて見ると20、21年のようなシーズンがあった一方で――過去3度も強打者の指標であるOPSで「1.000」超えするなど、決して夏場が苦手というわけではない。2024年も本塁打数に関しては、22年の8本塁打を超える可能性を残している(シーズンが進むにつれて上がってきていた、得点圏打率が0割台であるのはやや懸念事項だが)。
カージナルス戦ではMLBの「プレイヤーズ・ウィークエンド」に合わせて“デコピン入りスパイク”を穿いた大谷。試合前にはWBCで共闘したラーズ・ヌートバーと旧交を温める場面もあった。
同地区のパドレスとダイヤモンドバックスが猛追し、一戦の重みが増す中で、大谷はドジャースをポストシーズン進出、そして地区優勝に導く活躍を見せることはできるか。