「チームとしてミスはありましたが、自分がカバーするつもりで投げてました。最後は安打になって良かったです。早実は強打者が多くて、宇野君はオーラがありました。自分の球で抑えられるかなと思った場面もありましたが、仲間を信じた結果が勝利につながりました。最高のメンバーが後ろについていますから」

　仲間のミスをカバーするため、強敵との熱戦を制するため、スタンドの大声援に応えるため。馬庭はギアを上げて仲間を鼓舞し、観客を引き込んだ。

早実OBで観戦した清宮も「すごくいいチーム」と

　早実OBでこの試合を途中から観戦した清宮幸太郎（日本ハム）が「こんなにいい試合を見せてもらった。本当にありがとう。後輩たちに感謝です。（伝統校の）大社もすごい泥臭さというか、一生懸命さというか、センターの子がエラーしちゃいましたけどみんなでカバーし合って、すごくいいチームだなと思いました」と、母校の健闘をねぎらいつつ、大社を絶賛するコメントを残したのも納得できる、甲子園らしい好ゲームだった。

大社－早実戦を観戦した清宮　©Kyodo News

「11イニング投げましたが、疲労は全く感じませんでした。次も投げたいと思っています」

　馬庭はこうも語っている。バックには心強い仲間がいて、スタンドからは大声援の後押しがある。マウンドに立てば、活力とエースの自覚が自然と湧いてくる。