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「僕がいた時にはこんなチーム作れなかった」男子バレー敗戦…柳田将洋が惜しむ“史上最高のチーム”の終焉「キャプテン石川祐希に今、伝えたいこと」
text by
柳田将洋Masahiro Yanagida
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2024/08/06 12:33
パリ五輪準々決勝でイタリアに逆転負けを喫したバレーボール日本代表。キャプテン石川祐希も涙を堪えることができなかった
繰り返すようですが、このチームは本当に素晴らしいチームでした。今まで見てきた中で、こんなにいいチームは見たことがありません。このレベルで戦える日本代表は、少なくとも僕がいた時にはつくれなかった。このチームをつくることができたのは、キャプテンの石川選手を中心に、チームみんなの力が結束したから。僕だけでなく、清水邦広さんや福澤達哉さん、古賀太一郎さん、深津英臣さん……このチームを抜けた人たちも、みんなが当事者意識を持って応援できた日本代表でした。だから、戦って負けた時と同じか、それ以上の悔しさと喪失感を味わっています。
全員が本当に頑張り、本気でメダルを狙えるところまで来た。このチームがスタートしてからここまでに続く中の過程にいた一人としては本当に感慨深いです。
また、新しいシーズンが始まります。僕にできるのは、我々が体現するバレーボールの面白さを伝えること。何年もセリエAでプレー続けてきた石川選手がこの数年でさらに進化している姿を見ると、どの年齢、どのタイミングでも成長できるという希望、勇気をもらいました。
一人のバレーボール選手として、何年もの長い時間をかけてこれほど強くなった日本代表に、いろいろな人が関心を持ち、応援してくれたことにも感謝の思いしかありません。だからこそ、そういう方々の興味が少しでも我々が戦うリーグに向いてほしいと思うし、そうすることが自分たちの責務でもある。僕自身も彼らのように一生懸命バレーボールをプレーして、魅力を伝えていきたいです。
【短期連載全4回・完】
(構成:田中夕子)
柳田将洋(やなぎだ・まさひろ)
1992年7月6日生まれ、東京都出身。186cm、アウトサイドヒッター。東洋高校3年時に春高バレー制覇。慶應義塾大学在学中の2013年に全日本メンバー登録。サントリーサンバーズで活躍し、2017年にプロ転向。ドイツとポーランドでプレーし、2020年にサントリー復帰。ジェイテクトSTINGSを経て、現在は東京グレートベアーズに所属。元日本代表キャプテン