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バレーボールPRESSBACK NUMBER
「いやいや、お前のボールだろ」忘れられない“石川祐希とのケンカ”…星城高&中央大の同級生が語る「祐希には“怒りスイッチ”がある」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byAFLO SPORT
posted2024/08/02 11:55
中央大時代の石川祐希(2015年)
大学卒業から6年、石川は「金メダル」を目指してパリ五輪を戦う。武智は7年目のシーズンを迎えた。会える機会はめったにないが、年に一度、互いのシーズン終盤に、近況報告を兼ねて1時間半ぐらい、イタリアと広島でLINE電話をつなぐ。他愛もない話をするのが楽しい。
「最近どう? とか、日本でやる確率どれぐらいあるの? とか、聞きたいことがいっぱいあるんですけど、祐希が聞き上手だから僕のほうがしゃべっていますね(笑)。今は年下の選手ばかりで、立ち位置も考え方も振る舞いも変わる。『学生時代の俺の態度はなかったよな』と謝ったら、『洸史だけじゃなくて俺もそうだよ』って。祐希と話すと、自分を見つめ直すことができるんです」
年齢や経験を重ねても、まだまだうまくなりたい。出来る限り長く、バレーボール選手でありたい。そう思うのも2人の共通点。石川に倣い食生活も見直した。日本代表やイタリアでの試合を見ていると、無意識に石川の動きを追ってしまうと笑う。
「祐希と同じプレーはできなくても、真似できることはある。僕はリスペクトしかないです。『俺も頑張るよ』って言ったら、『君もしぶといね』って笑われましたけどね」
まだまだ「やる」し、祐希なら「やってくれる」。
何度も見せた爆発力をパリの地で。祐希が最強だと世界中に見せつけてくれ――。
(後編に続く)
◆第2回では、中央大時代の先輩で、セッター関田誠大の同期でもある今村貴彦(大阪ブルテオン)のインタビューです。