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中日からのトレードで人生が激変「誰が想像できた?」日本ハム・郡司裕也がものにした「一瞬のチャンス」北の大地で愛される“郡司節”秘話
text by
中田愛沙美(道新スポーツ)Asami Nakata
photograph byKYODO
posted2024/08/01 11:01
今やファイターズの顔として活躍する郡司。唯一無二のキャラクターだ
その後も、交流戦で対戦したDeNA・オースティンのグラブやブルペンに置いてあったグラウンド整備用のトンボまで破壊。球団が公式グッズとして「打球の行方にご注意ください」と書かれた応援用タオルを売り出したほど。新たな個人グッズが出れば飛ぶように売れ、球場では「背番号30」のアイテムを持ったファンを多く見かけるようになった。
「裕涼もかわいいけど僕は…」
選手の人気投票ともいえる企画でも、上位にランクインした。球団が開催した「ファイターズかわいい総選挙」では「彼氏にしたい選手権」を何度も制しているベテランの中島卓也や、今季ブレークした田宮裕涼と共に堂々のベスト3入り。チームメートから散々イジられて、「ファンがいることはありがたいですけど…かわいいではないです。卓さんは卓さんでブランドがあるので。裕涼もかわいいじゃないですか、僕は違うっす」と恐縮しきりだった。
加入してわずか1年余りですっかりチームの顔として人気を集める郡司。本人は「記録よりも記憶に残りがちなんです」と笑うが、前半戦終了時でパ・リーグ4位の得点圏打率(.329)とチームトップの打率(.267)は、その卓越した打撃術と抜群の勝負強さを証明している。
北の大地で果たした大ブレーク。唯一無二のキャラクターとして存在感を築いたその場所は、「一瞬のチャンス」を掴んだ集中力と、地道に積み重ねてきた「一生の努力」の結実でもある。