「ずっと目標にしていたところに来られたのは嬉しかったです。今までやってきたことが報われたと思いました」

　ピッチャーを続けている以上、150kmという数字はレベルアップを志す上で大きな指標になる。実戦復帰後あらゆる練習メニューを試し、スピードを出すために瞬発系のトレーニングに特化するようになった。

「ダッシュやジャンプなどのメニューをずっとこなしていました。筋力が上がればフォームに誤差が生まれるので、そういう細かい部分を見ながらフォームも固めていきました。僕は一番良い選手はケガをしない選手だと思っているんです。チームでは投手の人数は限られていますし、ケガで離脱してしまうととても痛いですから。そこはもう、絶対に（チームから）抜けられない、そういう意識は常に持っています」

高校時代の城間は夏の甲子園で準優勝。投手と二塁手の二刀流として、大谷以上の成績を挙げていた ©JIJI PRESS

　コンディショニングやストレッチなどのケアにも時間をかけ、1年でも長く現役を続ける。去年の自分より体力を落とさずに投げ続けることが城間の日々のテーマでもある。

「大谷は練習量が今でも半端ないのではないかと思っています。僕も練習量は落とさず、そこについていける体力は持ち続けたいです。この間、投手陣でシャトルランをやったんですけれど、自分、1位だったんですよ。まだまだ走れるって思っています」

現在はパナソニックのクローザー…都市対抗優勝を目指す

　現在はチームのクローザーを担い、可能な範囲でスピードを求めながら、自信のあるコントロールで打たせて取るスタイルを貫くつもりだ。

　最大の目標は都市対抗野球大会で優勝すること。同大会にこれまで56回も出場しているパナソニックは、今年は残念ながら予選で敗退し、出場はならなかった。

「これだけ長い歴史あるチームでまだ一度も都市対抗で優勝したことがないので、現役中にそこに名前を残したいんです」

©Fumi Sawai

　もっともっと。まだまだやれる。かつてしのぎを削った海の向こうの“怪物”の躍動は、今でも強い刺激となっている。

　城間竜兵。間もなく30歳になろうが、誰よりも熱い闘志はまだまだ消えることはない。