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甲子園の風BACK NUMBER
「大谷から『城間のコントロールが欲しい』と言われて…」U18日本代表で同部屋に 甲子園準優勝の城間竜兵(29歳)が見た「素顔の大谷翔平」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)Getty Images
posted2024/07/12 11:01
大谷翔平とともに2012年のU18世界大会に選出された城間竜兵(左)。韓国遠征中の同部屋で見た大谷少年の素顔とは…?
高校卒業後、城間は東北の名門・東北福祉大に進んだ。
大学では投手に専念し、本気でプロを目指したが球速がなかなか上がらず、始めたのが今も日課になっている筋力トレーニングだった。高校時代はチームとしての取り組みの一環でこなしていたが、自分で知識を身につけ、3年生になると積極的にトレーニングを重ねるようになった。
その成果はすぐに表れ、球速は147kmをマークするなどプロへの希望が膨らんだ。4年春にリーグ戦での登板機会が増えたが、予想以上に負荷がかかったのかヒジを負傷。プロへの道を断念することになった。
大谷が「城間は今どうしてる?」と…
大学生になって以降、大谷とマメに連絡を取ることはなかった。東北福祉大で3年時から監督を務めたのが、西武で活躍し13年から14年まで日本ハムでコーチを務めた大塚光二氏だった(現・野球解説者)。その大塚氏からこんなことを言われた。
「『お前、大谷と知り合いなんか?』って監督に聞かれたんです。高校JAPANで一緒でしたって答えたら、『大谷が、お前が今どうしているのか聞いてきたぞ』って言われて。え、自分のこと気にしてくれているんやって。ビックリしました」
連絡を取らなくても、心のどこかで気にしてくれている。どれだけ騒がれる存在になっても情の厚さは変わっていないんだと、内心嬉しかった。
「プロに入ってMVPのタイトルを獲った時に、こちらからおめでとうって連絡したんですよ。それにも普通に『ありがとう』って返事が返ってきました。
おそらく大谷にはものすごくたくさんの人から連絡が来ていたはずなのに、そこまでマメに連絡を取っていない自分に返事をくれるなんて。スルーしてもおかしくないのに、こういうところが律義というか。大谷らしいなと思いました」
真面目でストイック。真摯に練習に向き合う姿勢は城間も負けていない。
パナソニック入社後、1年目はリハビリに専念し、2年目から実戦に復帰した。地道なトレーニングが実り、7年目だった昨季にストレートが150kmを計測した。