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「監督はうんざりしていたかも…」長谷部誠がいま明かす“キャプテンの権限を超えた”W杯ミーティング舞台ウラ「あれだけ動いたのは最初で最後」
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/06/21 11:01
現役引退会見から3日後、雑誌Numberのロングインタビューに答えた長谷部誠(40歳)。いまだからこそ明かせる秘話を約2時間にわたって語った
「選手に見られないように、悟られないようにしていたのは確かですね。あんまりキャプテンがワチャワチャ動いていると、チームに影響が出るじゃないですか。だから監督とそんなにコミュニケーションを取っているようには見せなかった。まあ、(川島)永嗣は少し知っていた気もするけどね」
――手柄感を出さないのがすごい。
「やっている感は出しませんね、絶対に。僕はロシアW杯後に日本代表を引退すると決めていたから、後悔したくなかったんです。とにかくできることはやろうと。だから、あのときは家族と連絡することができないくらい、いろいろ動いていましたね」
もはやキャプテンを超えた存在
――ミーティングでみんなに意見を出させ、それを受けて監督やコーチとまたミーティングをする。もはやキャプテンを超えた存在です。
「ただ、西野さんはそんなに細かく詰め込みたくないタイプなんですよ。僕は監督と選手の間でバランスをどう取ろうかなっていうのはすごく考えていました。西野さんのやり方もあるし。一方、選手たちがすごく求めている『この辺のラインまで決めておいた方がいいですよね』みたいな落とし所についてはしっかり話し合っていました」
――'14年W杯のときはキャプテンとしてまだ成熟していなかったと言っていましたが、'18年W杯のときは違った?
「ある程度、余裕を持って物事を見られるようになっていました。やっぱり選手ってクラブの影響を受けやすいんですね。クラブの成功体験がベースになる。それをずいぶんと代表で経験したので、ロシアW杯の頃は『わかった、君はクラブでそういうやり方をしているんだね。でもそこは監督が決める部分だ』とある程度受け流せるようになっていました」
日本代表はロシアW杯前にガーナとスイスに連敗した後、メンバーを入れ替えてパラグアイと親善試合を行った。するとそれまでサブ組だった選手たちが躍動して4対2で勝利。親善試合の勝利組と敗北組でチームが分裂しかねない状況となった。
ここで再び長谷部が動いた。
<前編から続く>
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