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17歳で118億円移籍…“マドリーがホレた宝石”エンドリッキとは何者か「YouTubeきっかけで名門入り」「ブラジル代表で衝撃の2戦連発」 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2024/04/17 17:02

17歳で118億円移籍…“マドリーがホレた宝石”エンドリッキとは何者か「YouTubeきっかけで名門入り」「ブラジル代表で衝撃の2戦連発」<Number Web> photograph by Catherine Ivill/Getty Images

17歳にして日本円で118億円の“値札”がついたエンドリッキ。同じブラジル代表であるビニシウスとレアル・マドリーでの共闘に注目したい

 26日にマドリードで行なわれたスペイン戦では、後半開始時からピッチに立った。そして今度はわずか4分後、左CKのクリアボールを左足で思い切りの良いボレーシュート。これが決まって、2試合連続得点となった(注:試合は3-3の引き分け)。強豪相手の欧州遠征でセレソンの全4得点の半分を1人でもぎ取り、チームが1勝1分の好成績を残す立役者となった。

 スペイン戦の試合会場だったサンティアゴ・ベルナベウは、レアル・マドリーのホームスタジアム。もうすぐここでプレーするわけだが、正式に移籍する前にゴールネットを揺らしてレアル・マドリーのファンを喜ばせた。本人も、「スタジアムツアーに参加して写真を撮ったことはあったけど、セレソンの一員としてここでゴールを決められるなんて……」と無邪気に喜んでいた。

18歳でのマドリー入りは“すべてがバラ色ではない”

 とはいえ、今後、18歳で世界一のクラブに入団するからすべてがバラ色、というわけではない。名門クラブだけあって、レギュラー争いは熾烈を極めるからだ。

 現在のチームの主要フォーメーションは4-3-3で、右からロドリゴ、ベリンガム、ビニシウスが並ぶ。べリンガムは、今季、4月9日まで33試合に出場して20得点10アシストと絶好調。世界の若手アタッカーの中でトップクラスの男を中盤へ押しやるには、当然、エンドリッキがベリンガム以上のプレーをしなければならない。加えて、来季からエムバペが加わる可能性が高い。想像を絶するような高い壁が立ちはだかっている。

 このような状況で、エンドリッキは「幼い頃から、クリスティアーノ・ロナウド(2009年から2018年までレアル・マドリーのエースとしてゴールを量産。現アルナスル)とレアル・マドリーに憧れてきた。その夢がやっと叶う」と屈託がない。まだまだ怖いもの知らずなのだろう。

素行上の問題は起こしたことがないだけに

 レアル・マドリー入団の直前、6月20日から7月14日までアメリカでコパ・アメリカ(南米選手権)が開催される。故障さえしなければ、セレソンに招集されるのは間違いない。

 ロドリゴ、ビニシウスとレアル・マドリーのトリオが攻撃陣を形成することが予想され、この大会でプレーするであろう数試合はクラブでの格好の予行演習となる。

 17歳10カ月で、すでに76試合に出場。同年齢では、おそらく世界一、経験豊富な選手だろう。フットボールにすべてを捧げる心構えができており、ブラジル人選手に多い素行上の問題は起こしたことがない。

 とはいえ、世界のトップオブトップの選手と比べるとまだまだ経験不足だ。難しいシュートを決めてみせる一方で、比較的容易なシュートを外すことがしばしばある。技術面では、ポストプレーと空中戦に改善の余地がある。

 率直なところ、現時点ではまだべリンガムやエムバペの域には達していない。しかし、とてつもない潜在能力を備えているのは間違いない。いずれ、この2人を超える可能性を秘めているのではないか。

 日本のファンにも、今後、この若者に大いに注目していただきたい。

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