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17歳で118億円移籍…“マドリーがホレた宝石”エンドリッキとは何者か「YouTubeきっかけで名門入り」「ブラジル代表で衝撃の2戦連発」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byCatherine Ivill/Getty Images
posted2024/04/17 17:02
17歳にして日本円で118億円の“値札”がついたエンドリッキ。同じブラジル代表であるビニシウスとレアル・マドリーでの共闘に注目したい
自身もプロ選手を目指したが夢破れた父ドグラスが、考えつく限りの英才教育を施した。
何としてもプロ選手にしたいと考え、YouTubeに息子のプレー動画を投稿した。これがサンパウロの名門パルメイラス関係者の目に留まり、2016年、11歳でアカデミーの入団テストを受ける機会を与えられて見事に合格。ドグラスは「子供を一人でサンパウロへやるわけにはいかない」と考え、パルメイラス関係者に頼み込んでクラブハウスの掃除清掃員の仕事をあてがってもらった。こうして、一家全員でブラジリア郊外から1000km以上離れた南米最大の都市サンパウロへ移り住んだ。
以後、年齢別のチームで常に主力を担うと、2022年初めに20歳以下の全国大会であるコパ・サンパウロに15歳で出場。オーバーヘッドキックによるシュートを含む6得点をあげ、大会MVPに選ばれた。この年7月、16歳になった直後にプロ契約を結び、10月初めにブラジルリーグの試合でデビュー。10月末の試合で2得点をあげ、11月からレギュラーに抜擢された。
争奪戦の末に移籍金118億円でマドリー加入
彼の才能溢れるプレーは、欧州のフットボール関係者の間でも話題を呼んだ。
欧州の錚々たるクラブが激しい争奪戦を繰り広げた末、昨年12月、レアル・マドリーが推定移籍金7200万ユーロ(約118億円)で獲得した。ただし、EUの国籍を持たない外国人選手は18歳にならないと選手登録できないため、18歳の誕生日を迎える今年7月21日以降に加入することになっている。それまでは、引き続きパルメイラスでプレーする。
昨年は、すべての大会を合わせて53試合に出場して14得点1アシストを記録。11月、ブラジル代表(セレソン)に初招集されて2026年W杯南米予選の2試合(対コロンビア、対アルゼンチン)に途中出場した。
そして、今年3月下旬のセレソンの欧州遠征にも招集を受けると、フットボールの聖地ウェンブレー・スタジアムで行なわれたイングランド戦で後半26分から途中出場する。そこからわずか9分後、ビニシウスのシュートをGKが弾いたところを押し込んで代表初ゴール。これが決勝点となってブラジルが勝利を収めた。
マドリー本拠地での“2戦連発”にファン大喜び
エンドリッキの勢いは止まらない。