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「大谷翔平のバットはなぜ“めちゃめちゃ太い”のか?」高校野球まさかの“ホームラン3本だけ”の衝撃…球児が本塁打を出せたバット名公開 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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posted2024/04/12 11:04

「大谷翔平のバットはなぜ“めちゃめちゃ太い”のか?」高校野球まさかの“ホームラン3本だけ”の衝撃…球児が本塁打を出せたバット名公開<Number Web> photograph by AFLO

昨季からチャンドラー製のバットを使用する大谷翔平。そのバットは「めちゃめちゃ太い」という

 ただ、そこがミズノのすごいところで、選抜出場が決まっている高校にスタッフを派遣して、ブラストという機器を使って各選手のスイングの特徴を見える化したんです。ドジャースの大谷翔平選手が使っていたことでも話題になった計測器で、グリップエンドに取り付けるだけでいいんです。2万円ちょっとするのですが、これがあれば、バットスピード、アッパースイング度、パワーなどがたちどころにわかります。ミズノプロのバランスパターンは全部で12種類あるのですが、ブラストで測った数値にしたがって、ミズノのスタッフが各選手に、君のスイングはこうだから、このバランスのものが合ってるよ、とアドバイスしてあげたんだそうです。高校生ぐらいだと、そうやって数字を出してくれて、自分専用のバットが持てるというだけで嬉しいものじゃないですか。納得感もありますし。結果的に今選抜に出場した32校の先発メンバー、計288名が使っていたバットのうち134本、つまり46.5%がミズノのバットでした。その134本のうち70%くらいがミズノプロで、25%くらいがVコングECです。

――やはりミズノなのかという気もしますが、その占有率は、まだ売り上げにはつながってはいないわけですね。

 そもそもミズノプロというオーダーバットがあること自体、ほとんど知られていないと思います。それに知っていたとしても各ショップでブラストを使って1人1人のスイングチェックをしてあげるなんてことは、なかなかできないですからね。新基準バットは3万から4万円くらいします。オーダーバットを使うとなるとグラブと一緒で、1人1つみたいなことになる。そうするとコスト的に公立高校などは厳しいと思います。なのでオーダーバットを定着させるのは現実的ではないと思うんです。ただ、先ほどミズノプロのバランスパターンが12種類あると話しましたけど、そのうちバランス5、バランス10、バランス4が人気ベスト3だったそうなんです。それらを既製品化するという手はあると思います。ちなみに先発メンバーのバット使用率2位はSSKでした。SSKも後から緊急で投入した甲子園モデルで巻き返しましたね。ただ、SSKもまだ店舗の売り上げにはつながっていない状況です。これから徐々に、という感じだと思います。

アシックス(金属バット)は0本だった

――バット使用率の一覧表にある「マルッチ」というメーカーは、あまり聞かないですよね。

 マルッチはアメリカのメーカーで、MLBの選手はよく使っています。もともと木製バットのメーカーだったんですよ。マルッチまでが日本の金属バット市場に乗り込んでくるあたり、ミズノ・SSKの2強時代から戦国時代に突入した感じがありますよね。

――アシックスが1本というのも衝撃ですね。

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